造影剤使用に伴う副作用発現時の救急処置法

監修

藤田医科大学高度救命救急センター センター長
船曵 知弘 先生

造影剤使用に伴うアナフィラキシーの救急処置

Point  造影剤の血管内投与でのアナフィラキシーは症状が急激に進行する場合があり,早急に対応することが必要.

アドレナリン筋注

  • 投与部位:大腿部中央の前外側
  • 使用するアドレナリンは1mg/mL
  • 成人:0.3mg
POINT  用量調節の手間を省く工夫

プレフィルドシリンジ製剤の場合, 1mL のうち先に0.7mL捨ててしまい,残りを全量筋注する.

  • 小児:0.01mg/kg(最大0.3mg)
  • 改善がみられなければ5 ~15分毎に筋注を繰り返す.
  • 患者体位:仰臥位
造影剤使用に伴うアナフィラキシーの救急処置
  • 血圧低下があれば下肢挙上(30cm程度)とする.
  • 嘔吐している場合は顔を横に向けさせる.

参考:二相性反応(症状再燃)への対応

  • 予防的ステロイドの内服または静注を考慮(ステロイドに即効性はない).

内服

  • プレドニゾロン:1mg/kg(最大60mg/日)
  • デキサメタゾン:0.1mg/kg

静注

  • ヒドロコルチゾン:5 ~ 10mg/kg
  • プレドニゾロン:1mg/kg(最大60mg/日)
  • メチルプレドニゾロン:1mg/kg
  • 症状改善後も4 ~ 6時間は院内で経過観察する.
  • 重篤な症状がみられた症例では入院観察が望ましい.

※各薬剤の使用にあたっては,最新の電子添文をご参照ください.