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肝細胞癌を診る

- 内科医のための肝臓MRI 入門

MRI(磁気共鳴画像)の基本的な特徴をご紹介します。

MRI とは 肝臓のMRI 検査に用いられる造影剤 Gd-EOB-DTPA と肝細胞癌

肝臓のMRI 検査における各画像の特徴と主な役割を紹 介します。

各MR 画像の特徴と役割

肝臓MR 画像の読影手順をご紹介します。

肝臓MR 画像の読影手順

消化器内科医の立場から

川崎医科大学 肝胆膵内科学 日野 啓輔

Gd-EOB-DTPA造影MRIの登場は肝細胞癌の画像診断におけるbreakthroughといっても過言ではない。肝細胞機能から癌部と非癌部を識別するという新しい手段により、これまでに検出し得なかったような微細な病変も検出し得るようになった。その一方で肝細胞造影相のみで欠損像となる腫瘤性病変をどう扱っていくかという新たな課題も浮かび上がっている。Gd-EOB-DTPA造影MRIという新しいmodalityを得た今日、われわれ消化器内科医はより早期の肝細胞癌を診断することにより、肝細胞癌患者の予後を更に改善する責務がある。本小冊子は消化器内科医がより正しく肝臓MRIを理解、診断するために作成されたものであり、日常臨床に役立つことを切に希望する。

放射線科医の立場から

山口大学大学院医学系研究科 放射線医学講座 伊東 克能

Gd-EOB-DTPA造影MRIではトランスポーターの発現程度や機能により造影効果が異なるという、これまでの血行動態や病理組織に基づいた“造影効果”の概念を超える新たな解釈が必要であり、それゆえ肝細胞性結節の生物学的特性について新たな側面を見い出せる可能性も秘めている。MRIでは水、脂肪、出血など、それぞれの組織に特異性の高い撮像を行ったり、また新たな撮像方法も次々と生み出され、1回の検査で撮像されるシーケンスが多岐にわたっている。更にGd-EOB-DTPAという新たな造影剤の使用も加わり、効率よく読影を行うためには、どのシリーズがどの撮像なのか適切に把握する必要がある。

本小冊子では肝臓MRIの読影の手順やそのための工夫、Gd-EOB-DTPA造影MRIの特性と造影パターンの解釈、注意点などをまとめてあり、臨床医の日常診療の一助となれば幸いである。

監修: 川崎医科大学 肝胆膵内科学 日野 啓輔 先生

山口大学大学院医学系研究科 放射線医学講座 伊東 克能 先生