MRIの基本3

肝細胞癌を診る

- 内科医のための肝臓MRI入門

MRIの基本3

肝臓MR画像の読影手順

 自身の施設で撮像されている全ての画像の特徴を理解することが最良ではあるが、日常診療の限られた時間の中で画像情報から治療方針を決定するためには、必要な情報を効率よく抽出しなければならない。

 肝細胞癌の診療において治療方針を決定するにあたり、MR画像に求める代表的な事例が下記である場合には、肝細胞造影相で同定した病変部位をダイナミックスタディの画像(以下 ダイナミック相)で読影すると、多血性等の血行動態の評価が行いやすく、肝細胞造影相→造影前T1強調画像→動脈相→門脈相→平衡相(後期相)の順に読影すると効率よく診断できる。その後、必要に応じてT2強調画像やHeavyT2強調画像、拡散強調画像を読影する。

MRI検査の目的

  • 超音波検査(Ultrasonography :US)やCTで検出されなかった肝細胞癌の存在の有無を評価する。
  • CTで典型的な造影パターンを示さなかった病変が肝細胞癌であるか否かを鑑別する。
  • フォローアップ中にみられる結節の径や血行動態の変化を評価する。
MRIの基本3

画像提供:川崎医科大学