ガストログラフイン®
経口・注腸用
水溶性消化管造影剤
アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン液
開発の経緯
1950年頃からヨード安息香酸誘導体が造影剤として注目されていましたが、1953年にシエーリングAG(現バイエル)はより高い有効性と安全性を確保するため、3ヨード安息香酸の3位、5位を共にアセトアミドとし、1位のカルボン酸をナトリウム塩としたアミドトリゾ酸ナトリウム及びメグルミン塩としたアミドトリゾ酸メグルミンを開発しました。
本邦では、両化合物を最適な比率で配合したウログラフイン60%及びウログラフイン76%を1955年に承認を得て発売しました。
さらに引き続いて、ウログラフインと同一成分であるアミドトリゾ酸ナトリウムメグルミンを使用したガストログラフインを水溶性消化管造影剤として、1960年に開発し、本邦では1961年に発売しました。
製品の特徴及び有用性
- 経口からの適応を持つ唯一のヨード系造影剤です。(2019年3月現在、当社調べ)
- バリウム製剤が投与できない、急性出血や消化管の穿孔またはその疑いのある患者さんにも使用が可能で、消化管内の通過が速い製剤です。
- 拡散性(拡がり)が良く、得られるレリーフ像は微細・鮮鋭で、かつ充満像は連続的、均質的で描出力に富んでいます。
- 30倍~50倍の水で希釈することにより、コンピューター断層撮影における上部消化管造影増強(エンハンスメント)効果が認められます。
- 副作用等発現状況の概要
消化管撮影 1,319例中121例(9.2%)に副作用が認められ、主な副作用は下痢112件(8.5%)でした。([再評価結果]文献集計) コンピューター断層撮影における上部消化管造影 副作用は41例全例において認められませんでした。(承認時)