造影剤使用に伴う副作用発現時の救急処置法
監修
藤田医科大学高度救命救急センター センター長
船曵 知弘 先生
造影剤使用に伴う呼吸困難の救急処置
Point | 造影剤の血管内投与でのアナフィラキシーは症状が急激に進行する場合があり,早急に対応することが必要. |
呼吸管理
気道確保
- 頭部後屈あご先挙上法(おとがい部挙上法)で気道確保.下顎挙上法も可.
- 用手的気道確保で不十分な場合は気管挿管を行う. 喉頭浮腫が進行すると挿管が困難になるため, 必要時は躊躇せずに行う.
酸素投与
- リザーバー付マスクで10L/分の酸素投与.
- SpO2 90%以上を目標とする.
SpO2 90%≒PaO2 60mmHg
β2刺激薬吸入
- 呼吸器症状の改善を目的に,下記薬剤のいずれかをネブライザーで吸入.
- サルブタモール硫酸塩
- プロカテロール塩酸塩水和物
注意
- β2刺激薬吸入時は不整脈発現に注意する.
- β2刺激薬吸入は喘鳴,息切れなどの下気道症状の改善に有効であるが,上気道閉塞などの症状には無効である.
※各薬剤の使用にあたっては,最新の電子添文をご参照ください.