造影剤使用に伴う副作用発現時の救急処置法

監修

藤田医科大学高度救命救急センター センター長
船曵 知弘 先生

造影剤使用に伴う痙攣・てんかんの救急処置

Point  タイミングを逸せず初期対応を行う.多くは1 ~ 2分で自然に停止するが, 5分以上持続したら治療開始.

気道確保・誤嚥予防

嘔吐物の誤嚥を防ぐため以下を行う.

  • 患者を側臥位にする
  • 着衣を緩める

注意

舌を咬まないよう口の中に物を入れることは,手を噛まれたり口内を傷つけるおそれがあるので避ける.

気道確保・誤嚥予防
症状発生から5分以上持続  症状発生から5分以上持続

一次治療

処置・モニタリング

  • 静脈ルート確保
    生理食塩液5 ~10mL/kg(小児:10mL/kg), 5 ~10分間で投与
  • バイタルサインのチェック

抗痙攣薬投与

  • ジアゼパム
    5~10mg,5mg/分,静注
    小児:0.3~0.5mg/kg
    無効の場合5~10分後に追加投与

ジアゼパム投与時の注意

  • 呼吸抑制に注意
  • 生理食塩液,ブドウ糖液との混合で白濁するので,希釈せずに投与
症状発生から5分以上持続  症状発生から30分以上持続

専門医に対応を引き継ぐ.

参考:ジアゼパムが無効で症状が30分以上持続する場合の二次治療

処置・モニタリング

  • 酸素投与
    リザーバー付マスクで 10L/分
  • 循環モニタリング
処置・モニタリング

抗痙攣薬投与

以下のいずれかを投与

  • ホスフェニトイン
    22.5mg/kg,150mg/分以下,静注
  • フェノバルビタール
    15~20mg/kg,100mg/分以下,静注
  • ミダゾラム10%注射液
    0.1~0.3mg/kg,1mg/分,静注
    その後 0.05~0.4mg/kg/時,持続静注.小児:0.1~0.5mg/kg/ 時

※各薬剤の使用にあたっては,最新の電子添文をご参照ください.