フロントロードシステムでスタッフを血液感染から守る「Mark 7 Arterion」

フロントロードシステムでスタッフを血液感染から守る「Mark 7 Arterion」
フロントロードシステムでスタッフを血液感染から守る「Mark 7 Arterion」

社会福祉法人恩賜財団済生会 熊本病院

〒861-4193
熊本県熊本市南区近見5丁目3番1号
TEL:096-351-8000 FAX:096-326-3045
病床数:400床
診療科目:内科、外科、消化器内科、消化器外科、整形外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科、糖尿病内科、泌尿器科、腎臓内科、心臓血管外科、循環器内科、脳神経外科、神経内科、放射線科、麻酔科、救急科、病理診断科
CT3台、IVR-CT1台、MRI3台(病院棟)。CT1台、MRI1台(予防医療センター)。CT1台(外来がん治療センター)。診療放射線技師9名、看護師13名。


同一メーカの機器導入でインジェクタ切り換えが簡便に

 済生会熊本病院(400床)は19科からなる地域における急性期医療を担う病院。「断らない救急」をスローガンとする地域医療支援病院であり、地域からの緊急対応や高度な精密検査にも迅速に対応可能な体制を整え、地域連携における要になっている。

 2013年には熊本県で初めて、手術台と心・脳血管X線撮影装置を組み合わせたハイブリッド手術室を導入。手術室と同等の空気清浄度の環境下でのカテーテルによる血管内治療が可能となった。

 放射線部門は40名の診療放射線技師が所属しており、その内9名が血管造影に関わっている。血管造影室は6室あり、10名前後の専属看護師が勤務。うち2室あるハイブリッド手術室(図1)にも血管造影装置が備えられている。

ハイブリッド手術室。手術室でありながら高品質の血管撮影が行える。
図1 ハイブリッド手術室。手術室でありながら高品質の血管撮影が行える。

 6室の血管造影室にはすべてバイエル薬品のインジェクションシステムが設置されており、機種構成はMark 7 Arterionが1台、Avanta 1台、Mark V ProVis 5台、Mark V Plus 1台となっている。

 同院が、血管造影剤自動注入器Mark 7 Arterionを導入した理由について、中央放射線部・江崎泰史先生は次のように言う。

 「Mark Vを長く使用してきた流れもあり、その信頼性はそのままにさらに使いやすさを加えたシステムであるMark 7 Arterionを採用しました。ハイブリッド手術室の1つには心臓・冠動脈対応インジェクタであるAvantaと血管造影用のMark 7 Arterionを設置しています。Avantaは造影剤と生理食塩液の注入が可能ですが、造影剤の注入に特化したインジェクタもあった方が便利だというのもMark 7 Arterionを導入した理由です」(図2)。

Mark 7 Arterion。チューブをつけたままで前面からシリンジの取り外しが可能となったのが特長。
図2 Mark 7 Arterion。チューブをつけたままで前面からシリンジの取り外しが可能となったのが特長。

 基本的な両機種の使い分けは、循環器医が注入条件を変更しながら造影する際はAvanta、単一の注入条件だけでよい症例にはMark 7 Arterionを使用しているという。さらに2台のインジェクタを備えるメリットとして、清田直人先生は「感染症の患者さんにインジェクタで造影剤を注入した場合、感染のリスクを排除するために、次の感染のない患者さんには別のインジェクタを使わなければなりません。これは院内ルールとして運用されています。途中で感染症をお持ちの患者さんが来られた場合には、ワンポイントでMark 7 Arterionを使います。さらに、両機器は、連動切替え器を備えており(オプション機能)、コネクタを接続し直す必要がないため、切り換えが簡便で、血液で不潔になっている床でのケーブル差し替え作業も不要です」と述べた。

フロントロードシステムで血液感染リスクを低減

 Mark 7 Arterionは、Mark Vの安全性・信頼性を継承した上で新たな機能が付加されている。まず、エア抜きに伴う操作手順がモニタ上で指示されるので、操作に慣れていないスタッフでも、迷うことなく準備が行える。そして、最大の特徴は、ひとつ前の世代の機種であるMark V ProVisまでとプレッシャージャケットの設計が大きく変更されたことだ。新しく採用されたフロントロードシステムでは、プレッシャージャケットの前端部が円筒型に開放されており、プレッシャージャケットを取り外すことなく前面側からシリンジをワンタッチで着脱できる方式となった。これにより検査の準備・片づけに関わる煩雑な手順が改善され、血液の付着したチューブ、カテーテルとシリンジの回路を接続したまま廃棄ができるようになった。この結果、汚染血液の跳躍、飛散を抑えることができるようになり、血液感染のリスクの軽減につながった。実際、インジェクタは顔の近くで操作することもあり、眼からの血液感染の防止はきわめて重要だ。江崎氏は感染防止に対するMark 7 Arterionのアドバンテージについて「医療従事者の眼からの感染を防ぐために保護ゴーグル着用が提唱されていますが、医療現場ではインジェクタを毎回操作する度にゴーグルを着けるのは現実問題として難しい。フロントロードシステムを備えたMark 7 Arterionは、感染防止の点からも推奨されます」と話した。

 他にもMark 7 Arterionのメリットについて、江崎氏は注入速度や注入量などのプロトコルのメモリ登録機能を挙げる。また操作室と検査室にモニタを2台設置することで情報を共有でき、ダブルチェックも可能になる点も評価した。

フットスイッチの利便性

フットスイッチを使っている様子。マニュアルで撮影したい時に有用であると いう。
図3 フットスイッチを使っている様子。マニュアルで撮影したい時に有用であるという。

 このハイブリッド手術室ではフットスイッチも活用されている。氏原晋太郎先生によると、同期撮影が困難な肝動脈化学塞栓療法(TACE)や動脈造影下CT、経動脈的門脈造影下CTなどを行う場合は、同期撮影をオフにし、息止めと撮影タイミングを合わせるためにマニュアルでフットスイッチを使っているという(図3)。

 最後に、江崎先生にインジェクタ全般に対する要望を伺った。「造影剤をインジェクタに移し替える際、簡便かつ清潔操作で行える新しい方法ができればいいですね。また、手術室などでインジェクタのケーブルが床に這っていると血液付着による感染リスクもあるので、ケーブルレスを実現してほしいと思います」


江崎泰史先生

江崎泰史先生

済生会熊本病院
中央放射線部

清田直人先生

清田直人先生

済生会熊本病院
中央放射線部

氏原晋太郎先生

氏原晋太郎先生

済生会熊本病院
中央放射線部

PP-M-MARK-JP-0003-31-07