「Radimetrics」と連動できる唯一のCTインジェクター

「Radimetrics」と連動できる唯一のCTインジェクター
「Radimetrics」と連動できる唯一のCTインジェクター

山形県立中央病院

〒990-2292
山形県山形市大字青柳1800番地
TEL.023-685-2626
診療科目:内科/呼吸器内科/血液内科/糖尿病・内分泌内科/腎臓内科/心療内科/精神科/脳神経内科/消化器内科/循環器内科/疼痛緩和内科/感染症内科/腫瘍内科/小児科/新生児内科/外科/整形外科/形成外科/脳神経外科/呼吸器外科/心臓血管外科/消化器外科/乳腺外科/小児外科/皮膚科/泌尿器科/産婦人科/眼科/頭頸部・耳鼻咽喉科/放射線科/歯科口腔外科/麻酔科/病理診断科/救急科。放射線科医師5名、診療放射線技師26名


世界に通用するインジェクターを

 「県民の健康と生命を支える安心と信頼の医療」という理念を掲げる山形県立中央病院は、病床数609床、34の診療科目が置かれている山形県の中核を担う病院だ。救命救急センターやがん生活習慣病センターが併設されている。ドクターヘリも設置され、仙台や新潟から搬送されてくることもあるという。

 放射線科のスタッフは、放射線科医師5名、診療放射線技師26名、放射線科外来看護師11名を擁する。放射線部における救急体制は、17時15分から21時30分まで診療放射線技師が2人で勤務し、それ以降は翌日8時30分までを1人で勤務している。この様な救急体制を維持するために、新人の診療放射線技師の救急当直用トレーニングを4か月間で行っている。

 同院では2019年1月に、CT造影用インジェクターのステラントCWSを新たに購入し、4月より本格稼働させている。導入の理由について、今野先生は次のように語っている。「世界で有数のシェアを誇るバイエル製品は、世界的に通用する製品ということですよね。それに加えて、頑丈そうで長持ちするイメージがあります。10年くらい使っていかなくてはならないので、頑丈だという特長は大切だと思います。それから、この製品説明を聞いた時に、バイエル社はデータを丁寧に扱うメーカーで、きめ細やかなデータ管理ができる製品だと強く感じました。この特長が、Radimetricsと連動させることで、もっと進化するだろうという強い魅力も感じました」。

「Radimetrics」 との連動で、リスク管理をめざす

 ステラントCWSは、線量管理システム「Radimetrics」 と連動することで、CTの撮像条件と合わせて造影剤の注入情報を表示・保存できるのが特長だという。さらに、「Radimetrics」上に表示される情報は、グラフィカルでとても見やすい。現在は、注入圧力変遷グラフを、血管外漏出のリスク軽減の対策に活用しているという。造影剤を使用している以上、どうしても血管外漏出のリスクがある。その発生状況を記録に残すことは重要である。図1は血管外漏出の一例だ。注入速度は一定に保たれているが、注入圧が少しずつ上昇し、中盤以降に低下している。中盤で血管外漏出が発生したと想定しているが、事実はわかっていない。異常を感じて注入をストップしなかったことも問題である。このような血管外漏出データが保存されることで、このデータをもとに今後の事故対策を関係者と協議できるようになったという。「血管が脆くて、穿刺しづらい患者さんには、生食をテスト注入して、注入圧グラフから造影剤注入が可能かどうかを判断します。不可の場合は穿刺部位を変更しています(図2)。そして、造影剤の注入開始時は、看護師さんに穿刺部位を診てもらいながら、技師はCWS上のリアルタイムの注入圧情報を伝えるようにしています」。造影検査中は、ステラントCWSの機能を十分に利用することで血管外漏出を未然に防ぐことができ、検査後には「Radimetrics」で再度検証ができる。しかも、「このデータは無くならないのが素晴らしい」とも述べた。

Radimetricsの注入圧波形(血管外漏出症例):注入中に注入圧の上昇を確認した (注入速度2.5mL/s 92mL注入,22G針,最大注入圧87psi)
図1 Radimetricsの注入圧波形(血管外漏出症例):注入中に注入圧の上昇を確認した (注入速度2.5mL/s 92mL注入,22G針,最大注入圧87psi)
Radimetricsの注入圧波形(正常注入例):生食テストで注入圧が高値のため反対側より再度血管確保し、造影剤と生食(黄線)の注入を行った(注入速度3.0mL/s 90mL注入+生理食塩液,20G針,最大注入圧73psi)
図2 Radimetricsの注入圧波形(正常注入例):生食テストで注入圧が高値のため反対側より再度血管確保し、造影剤と生食(黄線)の注入を行った(注入速度3.0mL/s 90mL注入+生理食塩液,20G針,最大注入圧73psi)

 さらに、ステラントCWSの機能としてRISから患者情報(身長、体重)を得ることで、患者一人ひとりに最適な注入プロトコルを自動計算してくれる機能(P3T)が非常に便利だと語る。これらの注入結果を、CTの撮影条件と合わせて保存することで、さらなる造影プロトコルの最適化を目指すことができる。加えて、PACSに接続することで、読影医が造影剤の注入結果を見ながら読影できることも好評だ。

オート機能による検査時間の短縮効果

今野先生は、オート・ドッキング機能(プランジャー後端の位置が異なってもインジェクターのピストンを自動的に結合する機能)などの四つのオート機能によって、検査が効率的になり準備が簡単になったという。「造影剤をセットしながら別のことができるんですよ。インジェクターのオート・ドッキングボタンを押し、ピストンが自動で進んでいる間に、患者確認を行っています。その後、オート・プライム(シリンジに接続したチューブ内のエアをワンタッチで自動排出する機能)を押した後で、患者さんのポジショニングと検査の流れを説明します。最後に造影剤の微調整をしてインジェクターの準備完了です。非常に便利だと思います」。以前は業務開始前に、生理食塩液をシリンジへ注入していたが、このシリンジを保温庫で保管することに関して、今野先生は警鐘を鳴らす。「長時間保管しておくリスクは当然あるでしょう。雑菌が混入して、繁殖してしまう可能性があるからです。できるだけ、検査の直前に生理食塩液を用意するべきです。ちなみに、海外では検査直前に生理食塩液を用意しています。ステラントCWSを使えば、生理食塩液は自動でシリンジに注入され、エア抜きまでしてくれるので、手間も省けて、準備も簡単です」。

 そして、今野先生はステラントCWS導入によって、1検査あたり造影剤セッティングに1分程度、生理食塩液のセッティングに1~2分程度の時間短縮を感じているという。このCT室では1日につき約20件の造影検査を行っているので、結果として30分程度の検査時間短縮につながっている。インジェクターの操作が煩雑だったり不慣れだった場合に、患者へのケアが疎かになってしまう恐れがあったが、オート機能のおかげで操作が簡単になり、準備にかける手間が軽減された。「ステラントCWS導入によって、検査に集中できて患者さんに意識を向けられるようになった」、とも語っている。同院では少しでも早くステラントCWSの操作に慣れるために、操作手順をテプラに記し、製品に貼り付けている(図3)。看護師は、その手順に従うだけでスムーズに検査を進められるようになっている。最後に今野先生は、「オート機能が充実しているステラントCWSは、忙しい病院にピッタリですね」と笑顔で語ってくれた。

プロトコルを選択するユーザーインターフェイスも使いやすい。ここでも簡便な操作性がスタッフをサポートしてくれる。
図3 操作手順や注意書きがシールによって示されている

八重樫勝弘先生

今野 雅彦先生

山形県立中央病院
放射線部 診療放射線主査

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