第52回 画像診断クイズ(頸部)
正解
正解は選択肢2 内頸動脈瘤
解説
本検査で指摘されたものは内頸動脈近位部の動脈瘤や手術困難な巨大動脈瘤に対して、高度な手術技術や血管内治療が発達する以前に行われたcarotid artery ligationのためのデバイスです。デバイス自体には複数の種類がありますが、その中でもcrutchfield型と呼ばれるものなど、抜去することを前提としないものもあり、本例のように偶発的に指摘される可能性があります。 本例では問診にて脳動脈瘤に対する手術歴が聴取されましたが、具体的な術式や留置されたデバイスの種類までは特定できませんでした。
参考文献
Teitelbaum GP, Lin MC, Watanabe AT, et al. Ferromagnetism and MR imaging: safety of carotid vas-cular clamps. AJNR Am J Neuroradiol. 1990;11 (2): 267-72.
出題者からのコメント
1990年代の文献でも「かつては広く使用された、、、」と記載されており、現在では非常に稀なデバイスだと思われますが、非常に特徴的な形状であるため一度見たら忘れないと思われます。