第33回 画像診断クイズ(心臓)
正解
正解は選択肢4
解説
所見
Cine MRI:左室心筋のびまん性壁肥厚が見られる。また右室心筋もやや厚く描出されている。少量の左胸水を伴っている。
遅延造影MRI:左室内膜下を主体に全周性の遅延造影が拡がっている。また左房や右室壁の内膜下にも遅延造影が認められる。
診断
Tc心筋シンチにて心筋へのびまん性の集積を認め、心筋生検にて心アミロイドーシスの確定診断がなされた。
解説
心臓MRIによる肥大心の鑑別についての問題です。肥大心としては、肥大型心筋症やアミロイドーシス、Fabry病、高血圧性心、サルコイドーシスなどが鑑別に挙がりますが、心内膜下に全周性に拡がる特徴的な遅延造影の分布からアミロイドーシスを第一に考えることができます。
心内膜下優位な遅延の分布からは内膜下梗塞などの虚血性心疾患が鑑別に挙がりますが、左房や右室といった冠動脈支配域に一致しない遅延造影があることやびまん性の心筋肥大を伴っていることから否定できます。心臓MRIによる非虚血性心筋症の鑑別診断においては、特徴的な遅延造影のパターンを覚えておくことが重要となります。