第82回 画像診断クイズ(頭部)
頭部MRIのクイズ
難易度 ★★★
執筆者名 :松永 成生 先生
所属 :横浜労災病院 脳神経外科
- 次の4つの選択肢のうち、正しいものはどれでしょう(複数解答可)?
- 1: 右側頭葉病変に対してのみ定位放射線治療を行う。
- 2: 造影剤の静脈内投与量を増やして再度造影T1強調像の撮影を行う。
- 3: 造影剤の静脈内投与から15分経過後に再度造影T1強調像の撮影を行う。
- 4: 造影FLAIR像の撮影を行う。
患者背景
年齢・性別
60歳代 男性
検査目的
肺大細胞神経内分泌癌で化学療法を継続して施行している。経過中に痙攣発作、構音障害、右上下肢の感覚障害、失調症状、失語症が出現し、頭蓋内精査目的で頭部MRIが施行された。
条件や注釈
条件や注釈
頭部MRI 造影T1強調像では右側頭葉の硬膜に沿って造影される腫瘤を認め、肺大細胞神経内分泌癌の治療中であることから、鑑別診断として転移性脳腫瘍が最も考えられた。しかし同病変は痙攣発作、構音障害、右上下肢の感覚障害、失調症状、失語症の原因とは考え難く、その他には神経症状の明らかな造影される所見は認めなかった。またその他の単純MRI(T1強調像、T2強調像、FLAIR像、DWI、ADC、T2*)においても同病変以外には明らかな異常所見は認めなかった。そのため右側頭葉病変に対する定位放射線治療目的で脳神経外科受診となった。
画像1: 造影T1強調像
- 次の4つの選択肢のうち、正しいものはどれでしょう(複数解答可)?
- 1: 右側頭葉病変に対してのみ定位放射線治療を行う。
- 2: 造影剤の静脈内投与量を増やして再度造影T1強調像の撮影を行う。
- 3: 造影剤の静脈内投与から15分経過後に再度造影T1強調像の撮影を行う。
- 4: 造影FLAIR像の撮影を行う。