第57回 画像診断クイズ(肝臓)
多血性肝腫瘤のクイズ
難易度 ★★
執筆者名 :尾崎 公美 先生
所属 :福井大学医学部 病態解析医学講座放射線医学領域
- 次の4つの記述のうち、正しいものはどれでしょう?
- 1:造影CT動脈優位相で認める腫瘍内部の線状構造物はいわゆる中心瘢痕である可能性がある。
- 2:脂肪抑制併用T2強調画像ではatoll signが認められる。
- 3:Opposed phaseでのリング状高信号は腫瘍の被膜である。
- 4:最も可能性の高い診断は肝細胞癌である。
患者背景
年齢・性別
70歳代、男性
検査目的
約20年前に検診でC型慢性肝炎を指摘され、12年前にペグ-インターフェロン、リバビリン2剤併用療法※1にてウイルス学的著効(SVR)を達成後、超音波もしくはCTで経過観察されていた。今回CTでS6に経過で増大傾向を呈する早期濃染結節を認めた (4年前約5mm→今回約13mm)。他、2型糖尿病と高脂血症で内服加療中である。
※1 ペグインターフェロンアルファとの併用療法の適応を有していたリバビリン製剤は販売中止になっており、現在販売中のリバビリン製剤はペグインターフェロンアルファとの併用療法の適応を有していません。
条件や注釈
条件や注釈
【血液データ】 糖尿病、高脂血症を反映し、HbA1c 7.2%、トリグリセリド 166 mg/dL、総コレステロール 238 mg/dLと軽度高値あり。腫瘍マーカー(PIVKA-II、AFP)上昇なし。その他は血算、生化学に異常値認めず。
画像1: 単純CT 画像2: 造影CT (動脈優位相) 画像3: 造影CT (門脈相) 画像4: 造影CT (平衡相) 画像5: 脂肪抑制併用T2強調像 画像6: 拡散強調像(b=800) |
画像7: T1強調像 (in phase) 画像8: T1強調像 (opposed phase) 画像9: 脂肪抑制T1強調像(動脈相) 画像10: 脂肪抑制T1強調像(門脈相) 画像11: 脂肪抑制T1強調像(移行相) 画像12: 脂肪抑制T1強調像(肝細胞相) |
- 次の4つの選択肢のうち、正しい診断はどれでしょう?
- 1:造影CT動脈優位相で認める腫瘍内部の線状構造物はいわゆる中心瘢痕である可能性がある。
- 2:脂肪抑制併用T2強調画像ではatoll singが認められる。
- 3:Opposed phaseでのリング状高信号は腫瘍の被膜である。
- 4:最も可能性の高い診断は肝細胞癌である。