画像診断クイズ

画像診断クイズ

第53回 画像診断クイズ(肺)

正解

正解は選択肢3 両肺にランダム分布の多発すりガラス影がみられる

解説

CTにて両肺にびまん性に1-3mm大のすりガラス影が散見され、分布は末梢やや優位なランダム分布と考えられる。提示画像のみでは細気管支病変と区別しにくいが、一部病変には空洞形成も認められる。多発転移や微小結節性肺胞上皮過形成(MMPH: multifocal micronodular typeII pneumocyte hyperplasia)などが疑われ、経気管支肺生検(TBLB)が施行された。病理検査にて微小肺髄膜腫様結節(MPMNs: Minute pulmonary meningothelial-like nodules)との診断を得た。
MPMNsは女性にやや多いとされ、単発病変もありうる。CT所見としては1-4mm大の多発すりガラス影・小結節との報告が多いが、時に10mm超の充実結節や空洞形成を来すこともある。

出題者からのコメント

本症例では、CT上、ランダム分布で一部空洞形成を伴う多発すりガラス影であった。乳癌転移としては非典型的であるが、悪性黒色腫などその他の悪性病変由来の転移は否定できない。CT・臨床情報のみでの診断は困難であるが、鑑別診断として挙げることは肝要である。