第13回 画像診断クイズ(心臓)
正解
正解は選択肢4
解説
造影CT:肝臓は変形高度で肝硬変の状態。肝部下大静脈が高度狭小化している。
脾臓内には低濃度腫瘤を認める。
心臓遅延造影MRI:心基部中隔には右室側の部分にリング状の増強像、前壁から側壁下壁にかけては心外膜側優位の増強像あり、左室心内膜下の心筋が保たれているのが確認できる。心中部レベルでは下壁に中層主体の帯状の増強像が認められる。心内膜下が保たれている点で心筋梗塞とは異なる。
心不全の原因は大きく,虚血性心疾患と非虚血性心疾患とにわけられる。本症例の心臓MRIでは、心筋梗塞とは異なる多彩な所見の遅延造影陽性像があり、後者である。
出題者からのコメント
肝臓自体には肉芽腫は確認できないが、進行した線維化により肝部下大静脈が高度狭小化し、Budd-Chiari症候群の状態となっている。造影CTで脾臓内に低濃度腫瘤があり、心臓MRIでも脾臓内部に高吸収域として映り込んでいるのが確認できる。本症例では腹部と心臓の所見を結びつけて考えられるかがポイントで、一元的に考えると心臓、肝臓、脾臓に病変を生じうる疾患としてサルコイドーシスが鑑別にあがる。本症例はFDG PET/CTで心臓、肝臓、脾臓に病的集積亢進あり。頚部リンパ節生検で組織が確定されている。