第4回 画像診断クイズ(脳)
正解
正解は選択肢2:MRIの拡散強調像(DWI)は、急性期の虚血性の小脳梗塞を示唆している。
拡散強調像により、左後下小脳動脈(PICA)領域の急性期の虚血性の小脳梗塞が明らかである。
所見
コンピュータ断層撮影(CT)及びMRIの拡散強調像(DWI)により、虚血性の小脳梗塞が神経症状の原因であることが明らかである。造影MRAは、その後の不規則狭窄が左椎骨動脈のV1領域(閉塞)及びV2領域(多発性狭窄)で発症していることを示しており、これは特発性椎骨動脈解離の徴候である。
診断
塞栓による虚血性の小脳梗塞を伴う左側椎骨動脈解離。
重要事項
脳卒中の症状が認められる若年患者では、動脈解離の可能性を考慮し椎骨動脈を評価すべきである。
局所的動脈閉塞(頭蓋内の場合)又は塞栓性閉塞(頭蓋外の場合)により虚血性病変が生じている可能性がある。ガドブトロール造影MRAは、DWIと同程度に動脈損傷の迅速な診断が可能である。これに対し脳のCT画像は動脈損傷後12~24時間以内では陰性を示すことが多い。本症例では、造影MRAで動脈壁の不規則性、狭窄及び閉塞が認められた。