画像診断クイズ

画像診断クイズ

第3回 画像診断クイズ(脳)

正解

誤った記述は選択肢2:造影剤集積が高い悪性腫瘍
非常にわずかな造影効果が認められる。これは後頭蓋窩の悪性腫瘍の特徴である。
 

所見

造影剤集積(分布)が低い、小脳虫部領域の細胞密度の高い腫瘍。MRスペクトロスコピーでは高いコリンピークを認める。拡散強調像では高い細胞密度のために拡散制限をを認める。CSF漏出による貯留を認める。
 

診断

脳腫瘍:MRIにより上衣腫と診断された。鑑別診断:髄芽腫、横紋筋肉腫。病理検査により確定。
 

患者の治療とアウトカム

シャント挿入により頭蓋内圧が軽減された。続いて腫瘍が外科的に部分切除され、その後、再切除された。化学療法が実施され、続いて陽子線治療が行われた。
 

重要事項

  • ガドブトロール造影MRIが病変の評価に用いられる。
  • 本症例では非常にわずかな造影効果が認められる。これは後頭蓋窩の悪性腫瘍の特徴である。この所見と、拡散強調像及びMRスペクトロスコピーによるデータに基づき、上衣腫と診断した。