第2回 画像診断クイズ(肝臓)
正解
正解は選択肢2:肝細胞造影相では、病変は周囲肝実質と比べて低信号である。
MRI検査
ガドキセト酸ナトリウム投与(1mL/秒)、造影剤投与前後にT1強調像、及び造影剤投与後に脂肪抑制T2強調像を撮像。造影剤投与20分後に肝細胞造影相を撮像した。
診断
T2強調画像では軽度な高信号を呈し、T1強調画像では等~軽度な低信号を呈した。脂肪抑制像により、in-phase像と比べてopposed phase像で信号低下を呈したことから、病変内の脂肪沈着が明らかであった。
動脈相では病変部の信号増強を認めた(高信号を呈した)。肝細胞造影相では周囲肝実質と比べて低信号を呈した。
病理組織学的検査により、脂肪性を示す腺腫のサブタイプが確定した。このサブタイプは、病理医により肝細胞核因子(HNF1α)遺伝子変異を有する肝細胞腺腫(HNF 1α inactivated HCA)に分類され、肝細胞腺腫症例の35~50%で認められる。
重要事項
多様な信号強度及び造影を有する不均一性の腫瘍。今回検出された脂肪性を示す腺腫のサブタイプ(HNF 1α inactivated HCA)は、肝細胞腺腫の35~50%で認められる。病変は動脈相で軽度~中等度の高信号を呈し、肝細胞造影相で周囲肝実質と比べて低信号であることが示された。