バイエル画像検査室
MR室
MRI検査に必要な施設基準とは その 3
前回の話でCT/MRI検査で先進画像加算を取得するには画像診断管理加算2以上の取得が必要とのことでした。もう少し詳しく解説してください。
そうですね。先進画像加算(例えば頭部MRI撮影加算、MRエラストグラフィ、全身MRI撮影加算)でも加算2の施設も可能となっていますよね。その場合、他にどのような基準が必要となるのか頭部MRI撮影加算を例に見てみましょう。
2024年度改定の内容を踏まえた画像診断管理加算の条件を一覧は前回の「その2」にあるので、そちらを参考にしてください。
この表は先進画像加算の種類と診療報酬の点数を一覧にしたものになります。
「各検査ごとの加算」の欄にある先進画像加算の中から頭部MRI撮影加算を得るための画像診断管理加算の条件を確認します。
頭部MRI撮影加算は3T装置を用いた場合に請求できます。
先ず3T装置としての請求をするために施設基準の届け出が必要です。
- 画像診断管理加算2に関する施設基準の届出
- MRI装置に係る部門にそれぞれ専従の診療放射線技師が1名以上勤務
そして届け出に記載事項として
- 画像診断機器の機種名、型番、メーカー名、テスラ数(MRIの場合)を記載
- MRI撮影に係る安全管理責任者の氏名を記載し、MRI撮影装置、造影剤注入装置の保守管理計画を添付
となります。
先進画像加算を得るためには、画像診断管理加算は2~4のいずれかを取得する必要があります。2~4の取得において共通している項目は次の通りです。
- 核医学、CT・MRIの80%以上を翌診療日まで報告、読影を委託していない
- 専門医が全ての画像情報を管理
- JRSのMRI安全管理に関する事項の認証施設として認定されたことを証する書類
となります。
MRI安全性に関する認定施設として承認されるためには、画像診断管理認定機構が主導するMRI安全性講習会を施設が定めた安全管理責任者が2年に1回受講しなければなりません。
これらの基本要項が整った上で、画像診断管理加算4が取得できている施設は頭部MRI撮影加算を請求できます。
画像診断管理加算3の施設はどうでしょうか。画像診断管理加算3の施設条件に次の二項目を整えることができれば頭部MRI撮影加算を請求することができます。
- 当該保険医療機関において実施される全ての核医学診断、CT撮影及びMRI撮影について、夜間及び休日を除いて、検査前の画像診断管理を行っていること
- 関係学会の定める指針に基づいて、適切な被ばく線量管理を行っていること。その際、施設内の全てのCT検査の線量情報を電子的に記録し、患者単位及び検査プロトコル単位で集計・管理の上、被ばく線量の最適化を行っていること
この二項目を網羅するという事は、病院機能を除けば常勤医3名以上の画像診断管理加算4施設という事になります。
画像診断管理加算2の施設はどうでしょうか。上記の二項目に加えもう一項目の追加と常勤の増員が必要となります。
- 当該保険医療機関において、関係学会の定める指針に基づく夜間及び休日の読影体制が整備されていること
- 常勤医3名以上(2の施設なので2名以上の追加)
ほぼ、上記の画像診断管理加算3の施設が頭部MRI撮影加算を取得する条件と同じになりますが、異なる点が一つあります。AIによる診断サポート管理は含まれていません。
技師長...。複雑です。簡単に加点は取れないのだなぁ、ということは判りました。
そうですねぇ。書類の準備やそのための講習会参加など手間はありますが、細かな諸条件はどこの施設でも整えることはできると思います。医療機関で一つの線が引かれているので、一般病院が画像診断管理加算2を取得されている場合は、3名以上の常勤医の確保がハードルになるかもしれませんね。
元々の画像診断菅加算のコンセプトからすると、各施設の質の担保があるわけですから、これらの条件は致し方ないのでしょうと受け止めました
今回は頭部MRI撮影加点に触れましたが、MRエラストグラフィ、全身MRI撮影加算でもそれに伴う施設認定が必要となります。それらに関しては画像診断管理認定機構のサイトで詳しく紹介されています。ヨウドさん、一度確認しておいてくださいね。
はい!承知しました。
参照資料:
- 診療報酬に関連する告示・通知等(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html - 医科点数表の解釈 出版社:社会保険研究所
- 医科診療報酬点数表 出版社:社会保険研究所
- 診療報酬早見表 出版社:医学通信社
一般社団法人 画像診断管理認証機構