バイエル画像検査室
MR室
MRI検査に必要な施設基準とは その 2
前回の話の中で出てきた画像診断管理加算ですが、今回の2024年度(令和6年度)診療報酬改定で見直しされましたね。どのように変わったのですか?
今回の改定では従来3段階に分けられていた画像診断管理加算が一つ増えて4段階になりました。
前回お話ししたように、医科診療報酬点数表の第2章・第4部に画像診断があります。ここの通則に画像診断管理加算はあります。
加算1に変更ありませんでした。加算2,3が2~4に整理されました。
2024年度改定で従来の加算3が加算4に移行しました。新になった加算3は、加算2と従来の加算3の間を埋めるものとなります。
新しい加算3の点数は235点になります。加算3の施設基準は;
- 病院:救命救急センターまたは高度救命救急センターを設置していること(具体的に対象となる施設は特定機能病院を除外した中核病院、がん診療連携拠点病院などが考えられます)
- 画像診断専門の常勤医3名以上
- 夜間・休日の読影体制
- MRIの安全管理
と、なっております。
従来通り加算2,3および4の施設基準に「関係学会の定める指針を遵守し、MRI装置の適切な安全管理を行っていること」が必要とされています。
被ばく管理、MRI装置の安全管理に加えてAIによる診断サポート管理については日本医学放射線学会や関連学会の認証が必用となります。
加算3の新設と同時に加算2の点数が175点となり5点減算されました。
また、従来加算3を取得していた施設は自動的に加算4の施設に移行されるため、改めて加算4の申請は不要とされています。
新しい加算3の施設基準では、救命救急センター又は高度救命救急センターの設置と常勤医3名以上の配置が必要なのですね。
その通りです。検査前の画像診断管理と被ばく線量管理については含まれていませんね。そうは云っても加算3、4の施設は限られますね。
ちょっと調べてみたのですが、加算3の施設(救命救急センター又は高度救命救急センター)は128施設(注1)、加算4の施設(特定機能病院)は88施設(注2)ですね。両方足しても国内に216施設なのですね。
決して多くは無いという印象ですね。ですが、特定機能病院の多くは救命救急センター又は高度救命救急センターも設置されているということですね。88施設から救命救急センター又は高度救命救急センターが設置されている施設数を引いた数が加算3,4の対象施設数となるわけですね。
CT/MRI検査で先進画像加算を取得するには画像診断管理加算2以上の取得が必要ですよね?
その通りです。加算4の施設なら全ての先進画像加算の加点を得ることができます。でも、同じ先進画像加算(例えば頭部MRI撮影加算、MRエラストグラフィ、全身MRI撮影加算)でも加算2の施設も可能となっていますよね。その場合、他にどのような基準が必要となるのか、次回その3でみていきましょう。
参照資料:
- 診療報酬に関連する告示・通知等(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html - 医科点数表の解釈 出版社:社会保険研究所
- 医科診療報酬点数表 出版社:社会保険研究所
- 診療報酬早見表 出版社:医学通信社
注1:日本救急医学会
https://www.jaam.jp/about/shisetsu/qq-center.html
注2:厚生労働省 特定機能病院一覧