バイエル画像検査室
MR室
MRI検査に必要な施設基準とは
私たちの施設で先進画像加算を取ることができますか?いくつかの検査は普段も施行しています。
そうですね。普段から施行している検査もありますね。先進画像加算を取得する以前の話として、まずは保険診療におけるMRI検査の施設基準をみてみましょう。
医科診療報酬点数表の第2章・第4部に画像診断があります。第4部画像診断の第3節にコンピュータ断層撮影診断料としてE200~E203があり、E200がCT、E202がMRIとして記載されています。CTとMRIの施設基準の大枠はほぼ同じですが、装置の機能が異なっているところ(CTはスライスの列数、MRIは磁場強度)の表記が異なっています。
ここはMRI室なのでMRIの撮影料をみてみましょう。
E202 磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI)
項目 | 点数 | |
---|---|---|
1. 3T以上 | (1)共同利用施設において行われる場合 | 1,620 |
(2)その他の場合 | 1,600 | |
2. 1.5T以上3T未満 | 1,330 | |
3. 1、2以外 | 900 |
- 同一月にPET/CT、PET/MRI、CT、MRIを2回以上行った場合した場合は、2回目以降のMRIは所定点数の80/100で算定。
- 画像を電子化して管理/保存した場合、電子画像管理加算(120点)を算定可。
- 28日未満の新生児:8割/3歳未満の乳幼児:5割/3歳以上6歳未満の幼児:3割を加算
- 1、2については、届出が必要。
- 3T以上MRIを保有しているが施設基準を満たさない場合は、2として届け出た上で、2の点数を算定する。
- 1の(1):共同利用率10%以上
- 診断料:450点、同一患者に月一回のみの算定
単純に検査料だけでなく加算もあるのですね。ところで、3T以上MRIを保有しているが施設基準を満たさない場合は、2として届け出た上で、2の点数を算定する。と、ありますが、これは文面通り受け取ると3T装置を保有していても施設基準を満たさないと1.5Tと同じ点数になるということですか。
その通りです。ではその施設基準をみてみましょう。
E202 磁気共鳴コンピュータ断層撮影(MRI)の施設基準
◆ 施設基準
- 1.5テスラ以上のMRI撮影料を算定する場合には施設基準の届出が必要。
- 3テスラ以上のMRI装置においては、画像診断管理加算2に関する施設基準の届出を行っていること。
- 3テスラ以上のMRI装置においては、MRI装置に係る部門にそれぞれ専従の診療放射線技師が1名以上勤務していること 。
- 共同利用施設において行われる施設共同利用率は10%
◆ 届け出に関する事項
- 画像診断機器の機種名、型番、メーカー名、テスラ数(MRI の場合)を記載すること。
- MRI撮影に係る安全管理責任者の氏名を記載し、MRI 撮影装置、造影剤注入装置の保守管理計画を添付すること。
なるほど、1.5T以上の装置は施設基準の届け出が必要なのですね。届け出項目にMRI装置と造影剤のインジェクターの保守管理計画を添付するのですね。機器のメンテナンスをきちんと行うことが重要ですね。
こういったことをきちんとすることで施設の質を担保していくという考え方ですね。
3T以上だと画像診断診断管理加算2に関する施設基準の届け出を行っていることとありますが、また施設基準という言葉が出てきました。これは何ですか。
この画像診断管理加算は個々で話している施設基準とは異なるものです。画像診断管理加算は1~3まであってそれらの施設基準が異なり診療報酬の点数も違います。画像診断管理加算はいわゆるDoctor feeとして専門医が行う診療体制への管理料として加算されています。この加算も施設の質を担保するために重要な項目となります。画像診断管理加算の施設基準は内容が多いので、今回ではなく別の機会に話しましょう。
撮影料の基本となる施設基準の位置付けとその重要性が理解できました。さらに画像診断管理加算の2以上を取得すると先進画像加算の撮影も加点が取得できるのですね。
決められた施設基準をクリアして維持管理していくことが大切ですね。
参照資料:
- 診療報酬に関連する告示・通知等(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html
- 医科点数表の解釈 出版社:社会保険研究所
- 医科診療報酬点数表 出版社:社会保険研究所
- 診療報酬早見表 出版社:医学通信社