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病院施設の建て替え移転でモダリティを一新。MRXperion(MR Injection System)導入で患者ケアがさらに充実

病院施設の建て替え移転でモダリティを一新。MRXperion (MR Injection System)導入で患者ケアがさらに充実
病院施設の建て替え移転でモダリティを一新。MRXperion (MR Injection System)導入で患者ケアがさらに充実

大阪府済生会 富田林病院

所在地:〒584-0082 大阪府富田林市向陽台1-3-36
TEL:0721-29-1121
病床数:300床
診療科目:内科/循環器内科/消化器内科/腎臓内科 /外科/整形外科/小児科/眼科/泌尿器科/皮膚科 /耳鼻咽喉科/形成外科/産婦人科/脳神経外科/放射線科/麻酔科/リハビリテーション科/病理診断科
特殊施設:健診センター/血液浄化センター/お産セ ンター。 CT1台、MRI1台。医師51名(平成30年4月1日現在)、診療放射線技師14名(女性技師4名)

 コロナ禍で医療機関に負担が重くのしかかる中、大阪府富田林市の地域医療を担う富田林病院は、建設を進めてきた新棟が無事竣工、病院機能を全面移転して2020年11月から診療を開始した。

 放射線科が管轄するモダリティの中で、旧病院から移設したのはCT1台とアンギオ装置のみ。新施設の開院にあたり、新たに2台目のCTとMRI、マンモグラフィ、一般撮影装置などを導入、事実上、全面刷新した。

 造影検査の関連では、従来から造影CT検査に用いてきたバイエル薬品社製Stellant (CT Injection System)に加えて、新たに造影MRI用として同社のMRXperion (MR Injection System)を導入した。その理由について放射線技師長の松本先生は、「CT用のStellantの使い勝手がよかったことと、CTとMRIで使用感が統一できることに期待したから」と述べた。

 MRIを受け持つ渋谷先生は、「MRXperionでは、造影剤の注入方法や圧力の設定など、セットアップの操作画面がStellantと同じである。このため、CTとMRIで担当する診療放射線技師をローテーションする際に、特別な教育の必要なくすぐに対応できる」と評価する。

《参考》 同院放射線科の従来の検査件数は、コロナ禍以前の2019年度の実績で、CT検査が約1万2,000件、うち造影検査が約1,500件(13%)、MRI検査は年間4,500件、うち造影検査が約150件(3%)。

モダリティが異なっても、同じ操作系のインジェクタを使用する利便性と安心感

 MRXperionとStellantは、ヘッドの操作系や、モニターの表示画面も同じコンセプトで開発されたインジェクタである(図1)。

 MRXperionを導入するにあたり、当然、造影MRI検査に関わる業務手順を見直すことになったが、看護師側に大きな不安はなかったという。田中看護師、「以前から造影CTでStellantを使っているため、撮影室の外で行うルート確保の手順や、シリンジの設定方法が同じMRXperionの導入はスムーズだった。院内で作成しているマニュアルもStellant用をそのまま利用できた」と、モダリティは異なっても、操作系やモニター表示が同じ開発コンセプトの製品を導入する際の利便性と安心感が伝わってきた。

 多くの医療機関では、繁忙状況に応じて、部署間で看護師を融通する看護師応援態勢をとっているが、そのような状況での造影検査の操作指導も問題ないという。

 田中看護師は、「看護師の目線でみて、習得の容易さや役割分担の変更により、明らかに効率化が実現した。さらに、ルート確保セットをCT造影検査とMRI造影検査で統一することができたことも、コスト削減にもなったのではないか」という(図2)。

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図1 両インジェクタのヘッドパネル(左: MRXperion、右: Stellant)

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図2 ル ート 確 保 セット

オート機能の活用で役割分担を最適化、看護師が患者ケアに集中できるようになった

 同院では従来、CT/MRI検査ともに造影検査を実施する際は、穿刺を含むルート確保に加え、造影剤と生理食塩液シリンジのセットアップ、インジェクタの設定も看護師が行っていた。しかし、オート機能が充実したMRXperionとStellantを導入したことで、両検査とも撮影室の外で看護師がルートを確保した後は、撮影室への患者の誘導からインジェクタのセットアップまで、診療放射線技師が担当することになった。

 その結果、診療放射線技師、看護師ともに作業が効率化されたという。田中看護師は、「インジェクタの操作に関わる業務を診療放射線技師さんに分担していただけるようになり、患者さんへの説明や全身状態の管理など、看護師ならではの業務に集中できるようになった」と、オート機能の活用が、医療関係者の役割分担を見直す機会になったと述べた。

 MRXperionについて、このほかに、MRIを担当されている高橋先生から、「生理食塩液用シリンジと延長チューブが同梱されたパッケージで提供されているため、保管場所が1カ所で済み、物品管理が容易で、この点についても高評価の声が上がっている(図3)。また、乳腺MRI検査では血管確保のための持続点滴機能(KVO:keep vein open)がよく用いられるが、MRXperionでは、ヘッド部にKVO機能のスタートスイッチがつき、患者さんのもとを離れずに開始できるようになった」と、本機能に関して、今後の活用を検討したいと述べていた。

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図3 物品保管場所

CT領域と同様にMRI領域でもRIS/PACS接続で患者別に造影剤注入情報の管理を実現

 MRXperionにもStellantと同様に院内情報システムのRISに接続して患者情報を取得し、PACSに接続して、造影剤注入情報を記録・管理できる機能がある*。CT担当の村田先生は、「特に便利なのは、インジェクタの造影剤注入情報を画像にしてPACSに送りこみ、検査画像と一緒に記録しているので、前回検査時の画像を呼出すだけで造影剤注入情報も閲覧できる。注入プロトコル評価も容易になり、検査の質を担保できる」と述べた。この機能は、MRXperionでも利用できるので、放射線科として運用方法を統一できるという。渋谷先生は、MRI検査においても、造影剤の急速注入が必須のMRI Perfusion検査では、注入情報を簡単に確認することは意義があると述べた(図4)。

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図4 PACS画像 Perfusionテストの一例
*バイエル薬品製品と院内システムとの接続に関しては、別途の費用が発生します。

COVID-19対応:厳重な衛生管理に追われる中、オート機能が安全確保に貢献

 COVID-19の大規模な流行の中、放射線検査部門でも業務手順の見直しなど対応を余儀なくされている。松本先生は、「移転後、CT2台体制が実現したので、現在のところ、コロナ陽性、もしくは疑い例の患者さんと、その他の患者さんで使用するCTを分けている」という。

 さらに「陽性・疑い例の患者さんを検査する場合には技師2人での対応を原則にしている。1人は感染防御をして患者さんに対応し、もう1人が操作などを分担する。言うまでもなく、患者さんが触れたところはすべて消毒する。CTの寝台などは、使い捨てのシーツを敷き、その上に寝てもらう。このように他のスタッフも含めて負荷が増大する状況なので「各種のオート機能を備えたStellantやMRXperionは有効だ」と述べた。

 コロナ流行の過酷な医療環境の中、自動化や省力化を実現できる機能を有効活用することが、患者ケアの充実や安全・安心な医療の実現につながるのではないだろうか。

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松本伸介先生
大阪府済生会富田林病院
放射線技師長

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高橋圭介先生
大阪府済生会富田林病院
放射線技師

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村田智子先生
大阪府済生会富田林病院
放射線技師

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田中万澄先生
大阪府済生会富田林病院
看護部主任

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渋谷良司先生
大阪府済生会富田林病院
放射線技師