画像診断クイズ

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第69回 画像診断クイズ(消化管)

正解

正解は選択肢3 胆石
 

解説

十二指腸空腸曲と思われる部分に、単純CTで辺縁がかすかに高吸収を呈し、造影効果のない24mm大の円形低吸収を認めた。胆嚢は萎縮し、内部に結石とairを認めた。胆嚢と十二指腸球部の間に瘻孔が疑われ、胆石イレウスと診断された。その後、開腹胆嚢摘出術、十二指腸瘻孔部の部分切除、小腸切開により胆石除去が施行された。

胆石イレウス(胆石性腸閉塞)は異所性胆石を原因とした単純性腸閉塞である。結石が腸管内に排出される経路は内胆汁瘻がほとんどで、中でも胆嚢十二指腸瘻の頻度が最も高い(72%)。異所性胆石の消化管への嵌頓部位は主に小腸(遠位回腸)である。

胆石イレウスの特徴的なCT所見は異所性胆石、腸閉塞、胆道気腫の3つである(Riglerの3主徴)。CTで77.8%と高頻度に認められるが、X線陰性結石や石灰化がわずかである場合は診断に苦慮することがある。

第69回 画像診断クイズ(消化管)

画像1、2: 単純CT
画像3、4: 造影CT 平衡相
画像5、6: 造影CT 動脈相 冠状断

出題者からのコメント

胆石症の既往がある患者が腸閉塞をきたした場合には、胆石イレウスの可能性も念頭に置く必要がある。