正解は選択肢2 18F-FDG PET注射時の状況を確認する。
血管迷走神経反射による両側副腎の生理的集積
18F-FDG PETで両側副腎に一致して対称性に高集積(SUV max=右側 4.5、左側 5.0)が認められる。CTで副腎の形態は正常で、腺腫や転移を疑う結節は認めない。
本症例は18F-FDG PETの注射時に、一過性の意識レベルの低下、徐脈、血圧低下があり、血管迷走神経反射と考えられた。副腎はカテコラミンを分泌する内分泌臓器で、血管迷走神経反射時にはカテコラミンの分泌が促され、糖代謝が亢進し、FDG集積が上昇すると考えられている。集積は両側対称性で、生理的集積に比して高集積である。画像で副腎に形態異常や結節がないにも関わらず、両側副腎に対称性に高集積を認めた場合は、血管迷走神経反射の有無を確認する必要がある。
出題者からのコメント
18F-FDG PETの読影の際に血糖値や投与量は確認されると思いますが、血管迷走神経反射による副腎の生理的集積は、読影者自身が注射をしていないとピットフォールになりやすいと思い出題しました。