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泌尿器領域の画像診断は診断技術の最近の進歩に伴って、CT・MRIによる診断が非常に大きなウエイトを占めるようになった。その最新の知見については近刊の“知っておきたい泌尿器のCT・MRI”でまとめたが、このweb版はその中から専門医の試験によく出る症例を選んだものである。専門医の試験に出る問題は自ずと限られ、当然誰でも知っているような問題や、ほとんど見ることのないような症例は試験問題になり得ない。その意味でこのweb版の症例を当たっておけば専門医試験はほぼ完璧であると言っても過言ではない。必要に応じて書籍版も参考にしていただいて知識を確実なものにしていただきたい。さらにweb版では代表的な文献についてPubMedに容易にアクセスできるようになっているので、RadioGraphicsなどの文献を参照することで画像のみならず病理の知識などもさらに広げることも容易である。
今後このようなdigital teaching fileともいうべきweb版を発展させ、我が国の画像診断医がこれまで蓄積した多くの知見を診断医みんなで共有し、シームレスにいつでもどこでも見れるようにできたらと考えている。
監修:熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学分野 教授 山下康行
腹部画像診断は胃の二重造影、肺の高分解能CTなどと並んで我が国の放射線診断が世界をリードしてきた領域である。これまで多くの放射線科医が研究を積み重ねてきた領域で、膨大な業績が蓄積されている。インターネットがこのように発達した時代、誰しもがこれらの知識をいつでもどこでもて見たいと考えることは当然であろう。それには本シリーズのようなweb版は最適であるし、いずれ出版物はこのような形に変わっていくものと予想している。特に文献検索においてPubMedなどとのリンクはweb版ならではのメリットである。このweb版に先立ちKey Bookシリーズから“肝胆膵の画像診断─CT・MRIを中心に─”を刊行したが、大変好評であった。web版ではその中から専門医の試験によく出ると考えられる50例を厳選したものである。私自身学会の専門医試験の出題委員を務めたことがあるが、試験に出す問題は自ずと限られ、当然誰でも知っているような問題や、ほとんど見ることのないような症例は試験問題になり得ない。その意味でこのweb版の症例を当たっておけば専門医試験はほぼ完璧であると言っても過言ではない。また必要に応じて書籍版も参考にすることで確実な知識にしていただきたい。
監修: 熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学分野 教授 山下康行
バイエル薬品株式会社の協力を得て、学研メディカル秀潤社のKEY BOOKシリーズ「骨軟部疾患の画像診断 第2版」175例から選りすぐり50例のweb版を公開することになった。特に初心者や専門医試験受験のために最低限必要と思われる症例を集めている。すでに公開されている肝胆膵、泌尿器のシリーズでもわかるように、web版のメリットを生かしたセンスの良いデザインを取り入れており、教育面で非常に優れたツールになることを確信している。これをきっかけとして、骨軟部画像診断の面白さの一端をつかみ、さらに知識を広げていただければ幸いである。
監修: 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線診断治療学 教授 上谷雅孝
「百聞は一見にしかず」
このたび、熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学分野教授山下康行先生、バイエル薬品並びに学研メディカル秀潤社のご協力により、「画像診断別冊KEY BOOKシリーズ 放射線診断専門医試験のためのSelection50」をスタートさせることとなりました。泌尿器・肝胆膵領域から選りすぐられた症例について、画像所見・一般的知識・診断のポイント・参考文献が掲載されています。
「百聞は一見にしかず」「鉄は熱いうちに打て」の諺どおり、専門医試験をめざす時期に、どれだけ“良質”な症例を経験するかが、放射線診断医としての到達度を左右すると言っても過言ではありません。そして日常診療で経験した症例について、本企画に倣って個人的なフォルダを作成する習慣を身につければ、経験がスキルアップに直結するはずです。画像所見に加えて、病歴・キーとなる検査データ・治療・病理・予後を含めた総合的な情報がインプットされて、初めてある疾患を1例経験したということができるのです。
もちろん本企画は専門医を取得している方々のリフレッシャーコースとしても十分活用していただける豊富な内容を備えています。一人でも多くの放射線診断医が、本企画を診断能力の向上に役立てていただくよう願っております。
東京大学大学院医学系研究科放射線医学講座 教授 大友邦
総監修 | : | 大友邦(東京大学大学院医学系研究科放射線医学講座 教授 [現 国際医療福祉大学 学長]) |
: | 山下康行(熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断分野 教授) |