バイエル画像検査室
線量管理室
日本における診断参考レベル ― Japan DRLs 2015 ―
日本の診断参考レベルってどんなものでしたっけ?
2015年の6月にJ-RIMEから発表されたよね。
2015年4月18日に開かれた医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Information on Medical Exposure:J-RIME)の総会にて、我が国初の医療被ばくに対する診断参考レベル(diagnostic reference level:DRL)案が発表されました。そして2015年6月7日にはモダリティ毎に提案されたDRL案が、各関連学会により承認され日本の正式なDRLとして適用され、J-RIMEのホームページ上で公表されています。
CT検査に関しては、成人と小児について提案され、成人は日本医学放射線学会と日本診療放射線技師会が調査してまとめた結果を、小児は日本放射線技術学会の調査班と日本診療放射線技師会がまとめた結果をもとに作成されました。CTのDRLは、CTDIvolとDLPが指標として採用されています。
設定された診断参考レベル
- X線CT(成人・小児)
- 一般撮影
- マンモグラフィ
- 口内法X線撮影
- IVR
- 核医学
しかし一方でDRLの数値のみが注目され、その単位や線量値を実効線量と誤認してしまう可能性も指摘されています。J-RIMEや関連団体は、『診断参考レベルは、各施設が検査で実際に用いている線量と比較するためのものなので、容易に測定可能な量、通常は空気中の吸収線量、あるいは単純な人体模型や代表的な患者の表面における吸収線量を使います。私たちになじみのあるシーベルトではありませんし、被ばく線量そのものでもありません。』1)と補足しています。
診断参考レベルの正しい使用目的を、医療従事者、メーカー、被検者が正確に理解することが望まれますね。
2020年時点では新しい診断参考レベルが公開されていますので、こちらのページも参考にしてください。
https://radiology.bayer.jp/publication/radimetrics_casereport/publication1
【参考文献】
1) | 最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定(平成27年6月7日) http://www.radher.jp/J-RIME/report/DRLhoukokusyo.pdf |