CT室 検査
小児の造影検査があります。成人との違いはありますか?
小児の造影検査では、使用する留置針の太さと注入速度を調整しています。
小児への造影検査の時、成人とは異なる注意すべきポイントを調べてきました。
文献でのポイントをまとめてみたので紹介します。
造影CTの際には、造影剤の適切な注入が重要である。適切な部位の静脈に留置針で末梢ルートが確保できた場合は、自動注入器で造影剤を注入する。末梢ルートのサイズと推奨される造影剤注入速度の目安は、20Gで3.0〜4.0 mL/sec、22Gで1.5〜2.5 mL/sec、24Gで1.0〜1.5 mL/secである。(筆者の施設では、24Gの場合はルート確保の部位にもよるが、0.8 mL/secとしている)。
新生児や乳児では自動注入器ではなく用手注入の場合が多い。投与する造影剤の総量は、2.0 mL/kgを目安としている。
近年、新生児ならびに乳児に対する心大血管系の造影CTの際に低電圧(80 kVp)での撮影が推奨されている。管電圧を80 kVpと低電圧にすることで、被ばく低減、造影剤投与量の低減、造影能が長時間維持される、などの利点がある。1)
小児先天性心疾患に対する小児造影CT検査での造影剤注入は、新生児の場合は手動にて行い、年長児以上で、留置されている針が22G、20Gの場合は、自動注入器を用いることもある。造影剤の注入量は、2 mL/kgを基本としている。
ただし、留置されている静脈ラインが細い場合は、十分な注入速度と注入量で投与できないことがあるため、生理食塩水で適宜希釈するなどの工夫をしている。2)
中浦らはファントム実験の結果にて120 kVpから80 kVpに電圧を低下させた場合、造影剤のCT値は65%増加し、ノイズも17%増加するが、CNRは47%増加する。このことから低電圧撮影による
コントラストノイズ比(contrast to noise ratio:CNR) 上昇は造影剤の減量に用いられることが多いが、造影剤を減量せずに低電圧撮影を行った場合は造影剤を増量したのと同様の効果が得られ、被ばく線量の低減ができると報告されています。3)
小児の造影検査は、留置針サイズや注入速度に注意が必要ですね。
【参考文献】