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造影検査のルートキープは、どうして右腕なのですか?

造影検査のルートキープや準備を考えてみましょう。

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造影検査時の、穿刺部位、留置針、生理食塩水の準備をご紹介します。

穿刺部位

造影剤の注入は、手背や足の静脈を使用せず、肘静脈から注入するのが望ましく、できれば右肘静脈を用いて注入します。右肘静脈を選択する理由としては、左肘静脈から投与した場合、心腔に到達するまでの距離が長いために、以下のような問題が生じる可能性があると考えられます。

1) 造影剤の到達時間の遅延
2) 静脈内の造影剤のアーチファクトによる、動脈描出の妨げ、3D画像作成時に骨との分離困難
3) 末梢に到達する造影剤のボーラス性の減少(十分な造影剤が目的血管に到達しない可能性)
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造影検査は、一般的な輸液チューブでは耐圧性に乏しいため、造影剤投与の際には新たなルートを確保することが望ましいと言われています。ただし、新たなルート確保が困難であり、他の薬剤と同じルートから造影剤を投与しなければならない場合は、投与前にルート内を生理食塩水でしっかりフラッシュするなどして薬剤同士の配合変化のリスクを低減し、高速注入をおこなわない、などの注意が必要です。

造影剤は、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤などの薬剤と混合されることにより配合変化が生じる可能性があります。また、造影剤をインジェクタにより高速注入する場合、耐圧性の高くないチューブでは破損のおそれがあります。

留置針

血管外漏出予防の為、固定された血管確保を必要とするため留置針の使用が望ましく、金属針よりポリエチレン製やテフロン性の留置針が好ましいと推奨されています。 太さは3 mL/sec以上の場合は20Gより太い留置針が選択されます。

生理食塩水の後押し

造影剤注入後に生理食塩水の後押しをすることで、静脈内に停滞した造影剤を右心房まで押し流せ、造影剤注入時間を延長させる効果が期待でます。この為には、生理食塩水を造影剤と同じ速度で注入します。

生理食塩水の後押し量

鎖骨下静脈から上大静脈までの容量は15±8mLと言われているため、20〜30mL程度の生理食塩水が後押しされています。

生理食塩水の準備は、チューブ内容量、後押し量、合わせて、血管確保を確認するために使用する生理食塩水がある場合はその量も考慮しましょう。

【参考文献】

  • 1) ちょっと役立つ造影検査に関する話題CT編Ver.3.0
  • 2) 市川智章.CT造影理論.医学書院,2004,