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画像診断支援AIソフトウェアにはどのようなものがありますか?

画像診断支援AIソフトウェアにはどのようなものがありますか?

画像診断支援や読影支援のためのAI製品の導入を検討しているのですが、様々な製品が販売されているようです。どのような違いがあるのでしょうか?

AI製品の検討にあたっては、製品の機能のほか、データフロー等を含むシステム構成やその使用方法等について理解しておく必要があります。

 現在販売されている画像診断支援AIソフトウェアには、製品機能のほかにもシステム構成や使用方法などに違いがあります。製品特徴を理解した上で、施設の運用に合わせた製品を検討することも必要となります。
 今回は、画像診断支援AIソフトウェアの主な機能とシステム構成、使用方法について解説します。

画像診断支援AIソフトウェアの機能

画像診断支援AIソフトウェアが有する機能は、主に下記の3つに大別されます。

①特定条件領域の抽出・ROI表示

例)

胸部CT画像:肺野内2~30mmのCT値上昇領域にROIを表示など
胸部一般撮影画像:肺野内の吸収値が高い領域にROIを表示など

②病変の識別や疾患名の提示

例)

良悪性の度合いの数値化など

③臓器や部位の分類

例)

脳区域のセグメンテーションや各区域の体積の定量など

特定領域のROI表示機能を持つAIソフトウェア(左:Plus.Lung.Nodule、右:Plus.CXR)

特定領域のROI表示機能を持つAIソフトウェア(左:Plus.Lung.Nodule、右:Plus.CXR)

画像診断支援AIソフトウェアのシステム構成

画像診断支援AIソフトウェアのシステム構成としては、オンプレミス型とクラウド型に大別されます。

オンプレミス型:

施設内にAI解析処理用サーバーを設置。検査画像を解析用サーバーが取得することでAI解析を行い、解析結果をPACS等へ送信するシステム。

クラウド型:

AI解析アプリケーションがクラウド上に存在。検査画像をクラウドプラットフォームへ送信することでAI解析を行い、解析結果をPACS等へ送信するシステム。

システム構成例(オンプレミス型とクラウド型)

システム構成例(オンプレミス型とクラウド型)

オンプレミス型のメリットとしては、セキュリティ面から導入が比較的容易である点や解析結果を確認できるまでの時間がクラウド型に比べて早い点などが挙げられます。クラウド型のメリットとしては、AIアプリケーションの追加やバージョンアップなどへの対応が早い等、汎用性の高さが挙げられます。
いずれのシステム構成においても、解析結果を閲覧するために専用ビューアが必要な製品と既存の読影端末で結果を表示できる製品、解析結果としてセカンダリーキャプチャ画像を作成する製品やROIや計測情報をDICOM GSPS (Grayscale Softcopy Presentation State)として出力する製品などがあります。

画像診断支援AIソフトウェアの使用方法

画像診断支援AIソフトウェアの解析結果を利用する際に、読影医がどのような流れで読影を実施するのかに応じて、画像診断支援AIソフトウェアの使用方法は以下の3つに大別されます。

① Second Reader(セカンドリーダー)

② Concurrent Reader(コンカレント(同時)リーダー)

③ First Reader(ファーストリーダー)

画像診断支援AIソフトウェアの代表的な使用方法

画像診断支援AIソフトウェアの代表的な使用方法

現在承認を受けているAI製品の多くはセカンドリーダーであり、セカンドリーダーでは、まずは読影医がAI解析結果なしで読影を行い、次にAI解析結果ありで読影を行います。
コンカレントリーダーは、読影医が読影を行う際にAI解析結果についても確認しながら読影を行う使用方法となります。
ファーストリーダーは、まずAI解析により病変候補等を特定した後に読影医はAIが提示した病変候補のみについて読影を行います。最も読影業務効率の向上に寄与できると期待されますが、高い解析性能が求められることや薬事承認のハードルは高さから、実装が難しいとされています。

導入を検討するにあたってはAI製品の機能だけでなく、製品ごとの特徴を理解して、施設での運用をイメージしておくことが必要ですね。