オーラル発表

スライド作成編(12)貧乏ゆすりしないスライド

スライド作成編(12)貧乏ゆすりしないスライド

貧乏ゆすりが大嫌いです。小学生の頃、貧乏ゆすりなる行動を真似してやってみたら癖になってしまいました。私はただでさえ落ち着かない子供だったのですが、貧乏ゆすりのせいで様々な大人から更に叱責され、自分でも嫌になってやめたのですが、なかなかやめられなくてずいぶん苦労しました。あれだけ子供の私でも叱られたのに、大人になっても貧乏ゆすりをする人の多いこと!日本でも海外でも!学生も教授も!学会で隣に座っている人がやっているのが一度気になるとどうしてもそればかり気になってしまいます。更に、ガシッと太ももをつかんで「静かにしてください!」と言いたくなる衝動を抑えるのに必死になってしまえば、もう発表を聞くどころではなくなってしまいます。

ところで、貧乏ゆすりするスライド、あると思いませんか?ページを繰る度、ちょろっとタイトルが動く。グラフがジャンプしたり背が高くなったり、ずずっと全体が滑ったり、フッと文字が色褪せたり。

こういう発表にあたってしまうと、私は気になってしまって…。貧乏ゆすりみたいにずっとではないのですが、スライドが進んだとたんに一度「ん?」と集中力が途切れてしまうのです。隣からちょっかいをかけてくるネコを気にしながら仕事をしているようなもので、気が散って気が散って、どうしようもなくなってしまいます。

研究者って、変に細かいことにばかり気が行く変人が多いと思うので、私だけではないと思うんですよね、こういうことが気になるの。その割にはスライドの貧乏ゆすりに無頓着な人はびっくりするほど多い。細かいことなんですけど、こういう小さなことに気を付けるだけで、かなりの人があなたの発表に集中してくれると思えば、お安い御用だと思いませんか?

貧乏ゆすりの原因は、スライド上のオブジェクトの位置です。例えば各項のタイトル。この位置が少しでもずれているとページが繰られた時に目につきます。違いが僅かであっても、というか僅かであればあるほど動いたように見え、目につきます。パタパタアニメの原理です。フォントサイズが少しでも変わっていたら、これもまた目立ちます。色が変わっていても目立ちます。

これを避けるためには、一番初めにスタイルを決め、そのスライドをコピー・ペーストして使用することです。特に各項のタイトル(一番目立ちますので)の位置と大きさを変えないように気をつけて下さい。次に本文。テキスト量によってテキストボックスの大きさ、フォントサイズなど、変えていませんか?統一してください。できれば位置も。もし量がかなり違って、このままだとこの項だけ文字が上の方に示されて下がスカスカになってしまう…という時は、左右の大きさは変えないよう、上下だけ動かしてみて下さい。もしくは、あまりこれが合うケースは少ないと思いますが、上下のサイズは変えず左右だけ均一に伸ばす。一ヵ所だけ変わった場合には意外に気にならないものです。

その他はですね、左右のどちらかでオブジェクトの位置をピタッと揃える(もちろん全スライド共通で)こと。細かいテクニックを言えばきりがないのですが、貧乏ゆすり撲滅のためのパワーポイントのツールには例えば以下のものがありますので、いろんな場面での使用を試みてください。この業界で働いている若い皆さんのことですもの、インターネットでいくらでも使用法が見つかるので、これ以上書く必要はありませんよね。

ガイド
配置(揃え・等間隔)
スライドマスタ
本当はこれも蛇足かとは思ったんですが…。ご自身の発表、試しに見てみて下さい。スクリーンモードにして、内容には関係なく次へ次へとページを繰ってみて下さい。ん?と思ったら前後に何度も繰ってみて、パタパタアニメを確認してください。そして修正してください。特に結果ページはいろいろなものが動き出し、くるみ割り人形状態なプレゼンは結構多いんですよ。