Mark 7 ArterionとAvanta 2台持ち頭部の血管造影、心血管造影検査でフル稼働!
医療法人田北会 田北病院
〒639-1016
奈良県大和郡山市城南町2-13
TEL:0743-54-0112
診療科目:整形外科、内科、消化器内科、循環器内科、外科、脳神経外科、形成外科、泌尿器科、歯科口腔外科、リハビリテーション科、放射線科、透析センター、人間ドック、脳ドック、特定健診
医療法人田北会 田北病院(210床)は、金魚の養殖で有名な奈良県北部の大和郡山市にある。高齢化社会により、今後、整形外科と内科の専門性が高い病院が必要とされることも考え、平成25年に循環器内科、平成27年に消化器内科が開設された。また、透析患者のケアも行われている。なお、放射線科には常勤医がいないため、読影は遠隔画像診断を活用している。
放射線科には、9名の診療放射線技師(1名は嘱託)が勤務し、2名ずつローテーションでCT、MRIなどの各検査を担当している。血管造影検査は、週に7件ほどでPCIやアブレーションも行っている。また造影検査の場合、インジェクタの準備は全て診療放射線技師が行っており、患者のルート確保は外来の看護師が担当する。
検査装置の入れ替えをきっかけにMark 7 ArterionとAvantaを同時に導入
同院放射線科では、2018年12月に診断装置の入れ替えがなされ、同じタイミングでインジェクタも交換することとなった。その際に導入されたのが、Mark 7 Arterion(以下 アーテリオン)と Avanta(以下 アバンタ) である。吉川浩一氏(放射線科技師長)は、「アーテリオンは主に頭部・腹部の血管造影と透析シャント用であり、アバンタは循環器専用のインジェクタとなっています。これまでは、一般血管造影検査と心血管造影検査の両方を1台で対応できるインジェクタを使用していましたが、新しい診断装置の導入にあたり、使い勝手の良さを優先し、2台同時に導入することになりました」と語った(図1)。
図1 アバンタ(右)、アーテリオン(左)の2台がおかれている。
2台持ちの秘訣
吉川浩一氏(放射線科技師長)は、一般血管造影検査と心血管造影検査を1つの検査施設で行う場合、アーテリオンとアバンタの2台持ちは忙しい放射線科を楽にする設定だとも、実際の運用方法(秘策)を伺った。
1. アーテリオンは、移動が楽なスタンド型にして検査室の片隅に格納している(思ったほどスペースを必要としない)(図2)
図2 〇囲みはアーテリオンはアバンタと使うときは普段ここに置いている。スタンド型でコンパクトなのでスペースをとらないで部屋は広く使える。
2. アバンタは、専用の移動台(ペデスタル)とベッドの高さを上手に合わせることで、スムーズにテーブルマウントから脱着できる(移動台がキャリーの役目を果たす)(図3)
図3 アバンタの移動台。下部はベッドの高さに合わせて上下させる。
3. 連動切り替えスイッチがあるので、いちいちケーブルを接続しなおす必要がない(図4)
4. インジェクタのセットアップは、画面に表示される手順通りに進めることができるので、慣れていない人でも混乱することなく準備ができる(説明書を都度、読み返す必要がない)
図4 アーテリオンとアバンタの切り替えスイッチ。このスイッチのおかげでケーブルをわざわざ繋ぎかえる必要がない。
2台持ちに関する不安は解消されている。吉川氏は「2台持ちの課題を強いてあげるとすれば、我々の施設はスペースが狭いので置き場所に少し困るのが難点でしたね。
コツとしましては普段から人がいかない一番奥のスペースにどちらかを置くのがいいですね。通常はアーテリオンを使用し、アバンタをそこに置くことが多いですね」と語った。
お気に入りの機能
両方のインジェクタとも、プロトコルの設定・保存・呼出しがワンタッチでできるという単純さが、常勤の放射線医師がいない同院では最重要事項であるという。江頭 諭氏(放射線科)は「アーテリオンでは、プロトコルを特に設定せずに検査内容によって都度、直接入力していきます。アバンタは、主に3つのプロトコルで対応しています」と語った。
さらに、アバンタについて、「ルートの設定が縦長になっているので、エア抜きのしやすさがあります。また、前面操作ができるお陰で、血流遮断がすぐにでき、修正がきくのがありがたい」とのことだ。アバンタでは、少量の造影剤も注入制御ができるため正確性と経済性に優れ、デュアルラインチューブの採用により安全性も高いことが利点である(図5)。
図5 アバンタの操作部。チューブのセッティングなどが楽で扱いやすい。
安全性の観点から
両方のインジェクタとも、シリンジの脱着方法が従来製品と異なり、シリンジを前から容易に脱着できるフロントロードシステムが採用されている。このことにより、チューブに触れることなくシリンジが取り外せ、そのまま廃棄できる。血液感染等のリスク軽減対策仕様として、高く評価されていた。
吉川浩一先生
田北病院放射線科
技師長
江頭 諭先生
田北病院放射線科