スタッフに優しい操作性と安全性で検査をサポートするStellant CWS

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独立行政法人労働者健康安全機構 青森労災病院

〒031-8551 
青森県八戸市大字白銀町字南ヶ丘1番地

TEL:0178-33-1551 
FAX:0178-33-3277

病床数:280床 診療科目:循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、糖尿病内分泌センター、神経内科、神経科、小児科、外科整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、健康診断部、歯科口腔外科。医師1名(非常勤2名)、技師13名(うち3名女性)、看護師3名。CT2台、MRI1台、一般X線撮影装置3台、X線透視装置2台、X線血管撮影装置2台、マンモグラフィ1台、RI1台、放射線治療装置1台、骨密度測定装置1台。

CT装置の更新を機にStellant CWSを導入

 青森労災病院(280床)は全国に33ある独立行政法人労働者健康安全機構が運営する病院の1つで、各診療科・部門が連携して生活習慣病の診断・治療に積極的に取り組む方針を掲げる。20の診療科が置かれ、416名の職員が勤務している。

 放射線科のスタッフは常勤医師が1名、非常勤医師2名、看護師3名、診療放射線技師は13名(うち3名が女性)という陣容である。

 中央放射線部には一般撮影室(3室)、X線透視室(2室)、血管撮影室、乳房撮影室、骨密度撮影室、CT室、MR室、心カテ室、RI室、ライナック室が各1室ずつあり、ほぼフル装備である。CTは2台(うち1台は治療計画用)、MRは1台設置されている。

 八戸市の二次救急医療体制は、同院を含め市内5病院が輪番制で診療を行っている。夜間は待機制をとっており、13名の診療放射線技師は全員がシフトを組んで担当している。CT検査、MRI検査(頭部)は全員が対応でき、アンギオについては5名によるオンコール宅直制をとっている。

 同院では2017年12月、64列128スライスCT装置を導入。13年ぶりの更新となった。それに合わせてCT造影用インジェクターも新たにStellant CWSに買い替えた。

 Stellant CWSを選んだ理由について、八重樫先生は次のように語る。

 「いちばんの決め手はコストパフォーマンスでした。保証も含めて非常に安い。以前は他メーカのインジェクターを使用しており、バイエル社の機器に慣れていないスタッフもいましたが、勉強会やデモを通してコンセンサスが得られました。後発品の造影剤が使えるという点も導入の動機の1つになりました」

オート・ロード機能で準備の時間短縮が可能に

 CT検査の準備や片付けなど業務フローにおいては、「オート・ドッキング、オート・ロード、オート・プライム、オート・リトラクトの4つのオート機能が有用で、検査効率が向上した」と坂本先生。さらに次のように言う。

 「近年、CTの造影検査は種類が増え、それに伴って造影剤の注入方法もさまざまなものが開発されてきましたが、私が最も大事だと考えているのは造影剤の自動注入器としての基本性能です。Stellant CWSは操作性がシンプルでトラブルがありません。とくに当院はスタッフ全員が当直をするので、不慣れな技師でもわかりやすいユーザーインタフェイスが必要です。その点でも高い信頼がおけるインジェクターです」

 他社のインジェクターを使用していたときは、たとえば生理食塩液(生食)による造影剤の後押しを必要とする検査が3件ある場合は、事前にシリンジを手動で吸い上げたものを3本準備しておくという作業をしていた。

 また、事前に生食をシリンジに充填しておく場合、保管の時間が長くなることもあり衛生面に問題があった。エア抜き操作にも神経を払う必要があった。

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図1 4つのオート機能により、簡便にセットアップが行える。作業にかかりきりになることなく、業務の効率化が可能だ。

 しかし、Stellant CWS導入後はこうした問題は解決された。Stellant CWSでは、オート・ロード機能によりワンタッチで自動的にエア抜きしながら生食を自動充填できるようになったからだ。

 また坂本先生はそのメリットについて次のように言う。

 「Stellant CWSでは自動で充填が行われている間に、造影剤のセッティングや患者さんのポジショニングなど他の検査準備にかかることができます。充填作業などに付きっきりになる必要もなく、検査時間の短縮になります(図1)」

 一方、藤島先生は「作業の効率化のためには慣れも必要」と指摘。「たとえば、患者さんのポジションを合わせ、スキャン位置まで送った段階でオート・ロードを用いて生食を充填。その間に操作コンソールでプランを設定し、造影剤と生食をセットするなど、経験によって作業の手順やタイミングを身につけていく必要があります」と言う。

 Stellant CWSのオート機能により検査のストレスは格段に減ったようだ。同院ではCTを更新し、低管電圧撮影による造影剤減量に取り組んでいる。その結果、主に使用する造影剤は80mLシリンジ製剤となった。80mLシリンジ製剤はドッキングの際プランジャーの移動量が多くなるが、オート・ドッキング機能により移動量がどれだけ長くてもボタン1つで自動ドッキングができる。

造影剤減量には高性能インジェクターが不可欠

 被ばく量の低減と造影剤の減量は近年の造影CT検査の流れだ。同院でもそうした取り組みに力を入れている。

 坂本先生は「造影剤を減量するにはCT機器そのものの性能も重要ですが、造影剤を減らしても画質を落とさないという点で、インジェクターの力も非常に大きいと思います。とくに、3DCTアンギオやダイナミックCTなど高度な検査になるほどインジェクターの性能が良くないと高品質の画像を得ることはできません」と言う。

 インジェクターには安全性能も求められる。とくに肝臓など腹部造影では患者によって造影剤使用量が多くなる場合もある。

「その点で有用なのがStellant CWSの造影プロトコル最適化機能・P3Tです。患者さんの体重や使用する造影剤の濃度などの情報を入力するだけで注入プロトコルを最適化してくれるのは非常に便利です」と坂本先生。

 P3Tでは各施設の基準に合わせた注入速度の上限も設定できるという安全機能も備えている。

 「注入プロトコルの設定は重要です。細かな設定ができるようになっているインジェクターもありますが、不慣れな技師が使うとトラブルのリスクもあります。その点で、Stellant CWSはユーザーインターフェイスがシンプルで、ある程度設定を組んでおけば誰でもワンタッチで使えるというメリットがあります(図2)」(藤島先生)

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図2 プロトコルを選択するユーザーインターフェイスも使 いやすい。ここでも簡便な操作性がスタッフをサポートして くれる。

 同様に、あえて語られることは少ないものの、見逃せないStellant CWSの安全機能がある。

 「造影剤の注入中は看護師さんに側に付いてもらいますが、造影剤が漏れたり患者さんの具合が悪くなったりして、注入を停止したいという場合があります。その際、Stellant CWSはどのボタンを押しても注入が止まります。不慣れな看護師さんが検査に立ち会う場合でも、『どのボタンを押せばいいのかわからない』という不安はありません」(藤島先生)

肺動静脈分離撮影の実際

 他にもStellant CWSのアドバンテージとして、八重樫先生が指摘するのは「シリンジに接続するチューブがスパイラルになっていて引っかからない」ということだ。

 坂本先生も「とくにマルチスライスCTは体軸方向のテーブル移動量も大きくなっているので、インジェクターヘッドを適切な位置に配置しておかないと撮影中に引っ張られたりする可能性がある。その点、スパイラル型のチューブは伸びるので安全です」と指摘する。

 また現在、同院では造影剤の注入方法についてさまざまなプロトコルを試しているところだという。

 「外科から肺がんの術前で肺動静脈の分離の3DCT撮影依頼がありました。肺動静脈分離撮影は施設によっては多相で撮るところもありますが、われわれとしては被ばくを減らしたいので肺動静脈1相撮影を行いたいと考えています。それで造影剤の注入方法として生食との混合注入のトライアルをしているのですが(図3)、注入後の生食後押しを考えると容量の少ない生食シリンジでは足りなくなってしまうので、Stellant CWSのように200mLという大容量の生食シリンジは使い勝手が良いのです」(坂本先生)

 さらに、RISからの患者情報をオンラインで取り込める点、RFIDリーダーによる造影剤の読み取り・転送が可能な点などStellant CWSの拡張性にも注目しているという。

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図3 青森労災病院で行われている、肺動静脈1相撮影のトライアル。こうした場面では、大容量のシリンジが役に立つ。

 一方、造影剤の低減に関する今後へのリクエストとして、「P3Tの体重当たりヨード量を400mg以下にも設定できるようにしてほしい」(坂本先生)といった言及もあった。

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八重樫勝弘先生
青森労災病院
中央放射線部

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坂本幸夫先生
青森労災病院
中央放射線部

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藤島広志先生
青森労災病院
中央放射線部