今、使いたいときに使える! オート機能による 安全かつ清潔な検査を「Stellant CWS Dual Flow」で
JA静岡厚生連 清水厚生病院
〒424-0114
静岡県静岡市清水
区庵原町578-1
TEL:054-366-3333
FAX:054-364-5503
病床数:186床
診療科:内科/小児科/消化器外科・乳腺外科/整形外科/リウマチ科/脳神経外科/皮膚科/泌尿器科/耳鼻咽喉科/婦人科/眼科。
CT1台、MRI1台。診療放射線技師9人。
重視したのはCTとのインタフェース(連動機能)
1934年の開設以来、地域の人々に安心と信頼の医療を提供してきた同施設。現在、放射線科医はおらず、読影に関しては遠隔読影なども利用している。1日のCT検査総数は約20件で、その内、造影CT検査が5、6件となっている。放射線科専属の看護師はおらず、病棟ならびに外来の看護師が内視鏡検査や放射線科における検査などを兼任している。また、当直に関しては、地域の中で外科当番制を採用しており、同施設では月のおよそ三分の一を担っているという。当直は、診療放射線技師が1人で担当し、緊急時にはCT検査も施行している。
同施設では2年前、CT装置の更新をきっかけに、初めてバイエル社製インジェクターStellant CWSを導入(図1)。既に同社製のインジェクターを使用している近隣病院での評判や、もともと他院で、同社製のインジェクターの使用経験があるスタッフが勤務していたことも、導入の後押しになったという。インジェクターのメーカを変更することについて、「インジェクターは他の装置と比べると操作も複雑でないため、更新自体にそこまで不安はありませんでした」と石原太一氏(清水厚生病院放射線技術科)は振り返る。
図1 CT装置とStellant CWS
Stellant CWSはインジェクターとCTの連動が可能。片方の機器から双方をスムーズに扱うことができ、石原氏も「導入にあたり最も優先したのは、CTとインジェクター間のインタフェースですね」と、機器同士の相性は外せない要素であったとした。
両腕挙上体位に便利な天吊りシステム
同施設では、頭側からCTを撮影するため、両腕挙上で造影剤を注入している。
まず病棟もしくは中央処置室で看護師がルート確保をする。患者がCT室に入室し、両腕挙上体位でベッドに横になったのち、放射線科技師がインジェクターに造影剤シリンジをセットした後、患者と接続して、造影CT撮影を始める(図2)。検査終了後は造影剤を流すための生理食塩水液を100mL準備してもらい、診療放射線技師が側管からつなぎかえて、中央処置室に戻ったのち看護師が抜針を行なっている。
図2 両腕挙上体位によるCT撮像の様子
自動でピストンが元の位置に
Stellant CWSの特徴であるオート機能の1つ、シリンジアダプタの取り外し後、自動的にピストンが初期位置へ戻るオート・リトラクトについて、石原氏は「外したらピストンが自動で戻ってくれるというのはとても楽ですし、戻し忘れがないというのも、次の検査をスムーズに施行するポイントですよね」と好評だ。さらに、シリンジをセットした後にボタンを押すだけで、ピストンが前進し、シリンジの内筒後端を自動検出して接続した後、停止するオート・ドッキングについて、「忙しい検査の場面においては、手動でシリンジをドッキングさせるのが手間でしたので、簡単にボタン1つでドッキングしてくれるのは、とても楽ですね」と。また、生理食塩液をエア抜きしながらシリンジに充填できるオート・ロードも、ワンタッチで操作が可能。充填時のピストンの挙動に、エアが入らないような工夫がされている。「シリンジをセットするときは清潔な作業が大切になってきますので、そうした意味でもオート機能は助かります」と横山和佳氏(清水厚生病院放射線技術科)は語る。シリンジに接続したチューブ内のエアをワンタッチで排出できるオート・プライムも使い勝手がよく、他のスタッフにも教えやすいという。こうしたちょっとした手間の削減の積み重ねが、スムーズで効率的な検査をサポートしているといえるだろう。Stellant CWSでは、このようなオート機能を有する一方、すべての操作を手動で行うことも可能。同施設では基本的にはオート機能を使用しているが、操作に慣れてきたスタッフによっては、手動ですばやく操作ができる点も魅力である。
最適な注入条件を可能にするDual Flow
Stellant CWSのプロトコル設定では、テストインジェクションからフラッシュまで任意の順で注入設定をすることができる。また、Dual Flowタイプはフレキシブルな混和率の選択が可能である(図3)。またプロトコルの呼び出しも簡便で、手動だと清潔作業が懸念され、手間もかかる注入中の造影剤の濃度調整も、プロトコルを設定するだけで済む。特にCTHAの場合は、ハレーションなどのことを考慮すると希釈が必要となってくるため、Dual Flowで行なった方が容易なだけでなく、より確実であるという。「よく言われているのは3倍、5倍希釈ですが、当院ではしばしばアーチファクトも低減するので10倍ぐらいまで薄めて使用しています」と石原氏。
図3 Dual Flowプロトコルの設定画面
蓄積されたデータの活用
Stellant CWSでは、注入情報、最大圧力、圧力遷移グラフなどの情報を、イメージデータとして、PACSへ送信することができる(オプション機能)。PACSに送信された注入データを示すイメージデータは、撮影画像、CTの撮像条件等と合わせて、PACS上で保存・管理が可能となる。横山氏は保存されたデータについて「患者さんごとに蓄積したデータは、繰り返し検査するときの参考にしていきたいですね。例えば過去に、血管外漏出が起きた例であれば、注入圧の低下を検討することもできます。また、患者さんの状態により、前回と同じプロトコルが利用できない場合などに有用です」と話した。
石原太一氏
清水厚生病院 放射線技術科
横山和佳氏
清水厚生病院 放射線技術科