循環器専門の医療機関として「Stellant CWS」で高度治療を担う

循環器専門の医療機関として「Stellant CWS」で高度治療を担う
循環器専門の医療機関として「Stellant CWS」で高度治療を担う

医療法人松山ハートセンターよつば循環器科クリニック

〒790-0062
愛媛県松山市南江戸4-3-53
TEL:089-965-2211
病床数:19床
診療科:循環器科/心臓外科。CT1台、心臓カテーテル装置2台、RI SPECT装置1台。循環器科医師4名、心臓外科医師1名(非常勤1名)、麻酔科医師1名、放射線科医師1名、診療放射線技師4名(非常勤1名)、放射線科看護師3名


循環器内科×心臓血管外科の強力タッグ

 2006年に循環器専門の医療機関として開業した当院。当初は循環器内科における心臓カテーテル治療を中心に診療を行っていたが、2007年に心臓血管外科を開設。循環器内科と心臓血管外科の相互協力により、心臓病における専門医療機関として高度な治療技術を提供している。また、松山空港とJR松山駅の中間に位置し、交通機関からのアクセスも良い当院では、東予地方や南予地方などから来院する患者さんも多いという。1日の心臓CTの検査数は10件前後で、2016年の合計が約1,900件で毎年増加しており、さらに今年は東芝社製の320列のCT装置を導入したことにより、検査数は2,000件を超える見込みである。

さまざまなオーダーにも対応できる
大容量生食シリンジ

 伊田勝典氏(よつば循環器科クリニック放射線部)は、複雑なプロトコールを設定する際でも、Stellantは迷うことなく簡易的に設定・確認できるという。合わせて大容量の生理食塩水用シリンジ(200mL)も、利便性が高い。

 慢 性 完 全 閉 塞 病 変(Choronic Total Occlusion : 以下CTO)症例に対するPCIが予定される場合、PCIガイド用にCTのオーダーがでる。この場合には、事前におこなわれたCAG検査画像からCollateralを介して造影される時間を考慮し、通常よりも造影剤の注入時間を延ばし、その分撮影開始時間も遅らせて、撮影するように工夫している。そのため正確な撮影タイミングを知る必要があり、造影剤を本スキャンに対し造影剤の濃度(20%希釈)のみを変えテストスキャンを行っている(図1a、b)。また、このときのCT値より、本スキ ャン時の造影剤濃度を決めている。示した例では、85%に希釈した造影剤で本スキャンを実施する。このようなプロトコールも容易に設定・確認できる。前述のプロトコールの場合、生理食塩水はルート確認用に使用する20mLも合わせると計算上では、約90mL必要になる。場合によっては、造影剤ならびに生理食塩水の注入時間をそれぞれ延長することもあるため、当院では、余裕をもって180~200mLをセットしている。

テストスキャンの1例
図1a テストスキャンの1例
ルート確認のためのテスト注入
テストスキャン:20%希釈造影剤
生食後押し
本スキャンの1例
図1b 本スキャンの1例
ルート確認のためのテスト注入
テストスキャン:85%希釈造影剤
生食後押し

 さらに心臓だけではなく、同時に大動脈や下肢も撮影してほしいという医師からのオーダーも頻繁にあるため、心臓はVolume Scan(不整脈に対応するため)、続けて大動脈から下肢はHelical Scanというプロトコールで撮影する(図2〜4)。CT装置は、何秒間かタイムラグがないと次の撮影には進めないため、タイムラグの間は生理食塩水で繋ぎ、残った造影剤の量を計算しながら、大動脈を撮影する。この場合は、200mLの生理食塩水を最初から準備するため、大容量の生理食塩水シリンジは必須であるという。

本スキャンの1例
図2 本スキャンの1例 
心臓+胸腹部大動脈のオーダー時
ルート確認のためのテスト注入
Volume Scan(心臓:図3
インターバル(生食注入)
Helical Scan(大動脈:図4
生食後押し
Volume Scan(心臓)
図3 Volume Scan(心臓)
Helical Scan(大動脈)
図4 Helical Scan(大動脈)

当たり前となっているオート機能

 ボタン操作も簡易なオート機能
図5 ボタン操作も簡易なオート機能

 また、伊田氏は「今回更新した理由として大きかったのは、10年間使用してきて故障等が非常に少なかった点です」と語った。もともと当院で導入していたバイエル社製インジェクターは、セットできる生理食塩水の量が多く、この点も魅力であったと挙げた。

 セッティングをする段階でのStellantのメリットであるオート機能(図5)については「非常に便利ですね。もう当たり前の機能として使っていました」と話す。シリンジをヘッド部分に装着すると、自動でプランジャー後端をピストンが捉え、さらに、生理食塩水もボタン一つで、自動で空シリンジに充填してくれる。終了の際はシリンジを取り外すと自動でピストン位置が下がり元に戻るため、ワークフロー面においても非常に楽であるという。

事前のルート確認で防ぐ造影剤漏出

 Stellantでは、注入中の圧力が、注入圧遷移グラフによりリアルタイムで表示されるため、明らかな異常を素早く判別できる。「リアルタイムで注入圧遷移グラフが表示されるというのは安全面から見てもいいと思います。当院では、さらに、血管外漏出を未然に防ぐために、すべての造影CT検査で、事前に生理食塩水を用いたルート確認を実施しています」とのこと。「撮影開始前に、看護師さんに患者さんの脇についてもらい、生理食塩水を20mL投与します。その際、患者に異常が発生すれば、その瞬間に注入を止めます」と造影剤を扱う上でのテストインジェクションの必要性も述べた。

正確で簡易的な造影剤情報管理

 Stellantに搭載されているRFIDリーダーでは、読み取った造影剤の情報を自動でシステム管理するだけでなく、ワイヤレス仕様のため、各病院の動線に合わせフレキシブルに使用することが可能である。当院では、造影剤をCT室内の加温器で保管している。RFIDリーダーは、その加温器のそばに置いて使用しているという(図6a、b)。読み込む作業について伊田氏は「造影剤を加温器から取り出した際に、その場ですぐに読み取ることができるので便利ですね」と語った。それまでは、台帳で造影剤量以外の細かな情報も管理していたが、手書きの場合、必ずしも正確ではない可能性もあるため、情報のバックアップとしても必要であるという。また、1日検査を行っているとこまめな充電が必要となるため、本体に付属している充電器の移設を要望しているとのこと。これが叶えば、より便利になるとの見解を示した。

CT室内に設置

 さらに今後の要望として、PC上で造影剤の注入データ管理する「Certegra Data Manager」があるが、このソフト上では使用した造影剤の量は表示されるが、生理食塩水の量は表示されない。生理食塩水の量を確認するためには、一度CSVデータとして出力する必要がある。「透析している患者さんの場合など、使用した生理食塩水の正確な量が必要となってくるため、ぜひ生理食塩水の量も、ワークフロー改善のために、ソフト上に表示できるように、変更していただきたい」と述べた。


伊田勝典氏

伊田勝典氏

放射線部技師長

L.JP.MKT.10.2017.0934