取り回しが自由!安全性と
優れた操作性を兼ね備えた「Mark 7 Arterion」
日本医科大学付属病院
〒113-8603
東京都文京区千駄木1-1-5
TEL:03-3822-2131
病床数:1,156床
診療科目:循環器内科/老年内科/神経・脳血管内科/腎臓内科/リウマチ・膠原病内科/血液内科/糖尿病内分泌代謝内科/消化器・肝臓内科/呼吸器内科/化学療法科/精神神経科/小児科/遺伝診療科/放射線科/放射線治療科/東洋医学科/口腔科(周術期)/リハビリテーション科/内科系集中治療科/消化器外科/乳腺科/内分泌外科/心臓血管外科/呼吸器外科/脳神経外科/整形外科・リウマチ外科/女性診療科・産科/耳鼻咽喉科・頭頸部外科/泌尿器科/皮膚科/眼科/麻酔科・ペインクリニック/緩和ケア科/がん診療科/救命救急科(CCM)/形成外科・再建外科・美容外科/心臓血管集中治療科/外科系集中治療科/脳卒中集中治療科/総合診療科/救急診療科/病理診断科。
CT6台、MRI5台、血管撮影装置。放射線科医師35名、診療放射線技師67名、看護師21名。
夜間のANGIO検査にも対応
「未来へつづく病院づくり」として新病院を建設中の同施設では、施設周辺に十分な駐車スペースを持ち、病床数も1,156床から848床になることでより患者さんの快適さを確保する造りとなる予定である。平成26年には一部機能が新病院にて運用開始され、最新の医療環境が提供されている。
当院が行っている一週間の心臓カテーテル検査の件数は約25件、年間にすると約1,300件になる。安部 勉氏(日本医科大学付属病院放射線科係長)は「心臓カテーテル(以下:心カテ)検査の約3〜4割は治療を行っております。ANGIO検査は心臓は循環器内科、頭部は脳外科、神経内科、救命救急センターが行い、その他胸部、腹部等は放射線科が行っています」と述べた。年間約3,200件の検査をこなす同施設の検査室数は、心カテ室が3部屋、他のANGIO検査室が2部屋となっている。また、心カテ室で行っているアブレーションも増えてきており、検査数に対して検査室が少し足りないように感じているという。現在放射線科には、ANGIO検査に携わっている医師が8名、看護師が14名在籍。診療放射線技師は67名おり、そのうちの3名で夜勤を担当し、夜間の緊急のANGIOにも全員が対応できるようにトレーニングをしている。
寝台に直接設置できるMark 7 Arterion
もともとMark V ProVisを使用していた同施設だが、3年前、心カテ室が新しくなる際にMark 7 Arterionを導入。きっかけは、本体とモニタが別個になっているラックマウント型の使い勝手を評価しました」と語った。一体型の場合、例えば下肢を造影する際には寝台を動かしながら撮影するため、そのたびに検査室に入って本体も動かさなければならない。しかしラックマウント型は、ヘッド部分を寝台に直接付けることができるため、寝台を動かすたびにカテーテルが引っ張られてしまうような危険もない。また、以前のMark V ProVisではアームの高さ調整にゆとりがなく、ヘッド部分を下向きにした際に、上げた状態の寝台との距離が接近しすぎてしまうこともあったそうだが、Mark 7 Arterionでは寝台に直接取り付けられるだけでなく、ヘッドもかなり上まであがるようになり、非常に便利になったという。検査準備においては、事前に造影剤の使用が決まっている場合は、事前にヘッド部分を外して寝台に取り付けておくことが多いという(図1)。
図1 寝台に直接取り付けが可能
スタンドに取り付けた状態のMark 7 Arterion
利便性の高いフロントからのシリンジ装着
図2 フロントロードシステム
また、今回のMark 7 Arterionの魅力の一つは、シリンジをフロント側から容易に装着できるフロントロードシステム(図2)である。実際の使い心地について「シリンジをフロント側から入れるとき前から見えるのでとても入れやすいですね。また取り外す際も、終了ボタンを押すと圧を逃がして、90°まわすだけでスッと抜けるのでかなり楽になりました」と話す。以前は斜めに装着してしまっていると、取り外す際に後ろ側からだと手元が見えづらく、トラブルもあったという。また、チューブに触れることなくチューブをつけたままシリンジを取り外すし、そのまま捨てることができるため安全性やワークフローの面でも非常に便利である。
片手で簡単チューブ装着
現在使用している延長チューブは、シリンジに装着する際、斜めの状態になることも少なくなく、造影剤が接合部から噴き出してしまうこともあったという。そこで、ワンタッチで清潔操作のまま片手で確実にチューブをシリンジに装着できるTwist & Go(図3)の導入を検討されている。
「Twist & Goは、確実に、短時間でシリンジに装着できるだけではなく、造影剤を扱う上での清潔操作が保てることが、臨床試用サンプルを試して確認できました」さらに、延長チューブを使用しないで直接カテーテルや三方活栓に接続できるシリンジがあればなお助かるという。
図3 Twist&Goシステム
見やすく使いやすいスクリーン画面
Mark 7 Arterionのモニター画面は、タッチスクリーンによる操作性、大きさや機能面でもMark V ProVisより大幅な改善がなされている。「特に素晴らしいのは、症例ごとに検査履歴がでてくるため、複数回撮影した場合でも、造影剤の積算投与量などが簡単に確認できるのもありがたいです。プロトコールに関してはいくつか自分たちで組んでいるのもありますが、慣れると直接打ち込むことも多いですね」と述べる。また、手順などを支援してくれるガイド機能では、分からなくなったときなどにマニュアルを取りに行かなくても、その場ですぐ見れるため便利であるという。同施設では検査室内にモニターを設置し使用している(図4a、b)。
図4a 高精細カラータッチスクリーン
図4b 心カテ室内に設置することで条件設定と造影剤量の確認が術者からも容易にできる
今後の展望について
安部氏は「いちばん気に入ってる機能はフロントからシリンジを簡単に装着できる点ですね。取り外しも楽です。ワークフロー的にも非常にありがたい。ただ、その操作も慣れてしまえば早いんですが、斜めにあげてカチッとはめる際には少しコツがいるんですよね」と操作をする上でのコツについても語った。そのほかには、下部についているアクリルカバーの掃除方法や、ヘッド部分を外す際に力が必要で女性の場合だといちばん上まで持ち上げるのは大変なため、低い位置でも取り外しができればより良いなど、今後の改善に対する期待を述べた。
安部 勉氏
放射線科 係長