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造影剤はどうやって体外に出るのか?

腎臓

水溶性の血管造影剤(尿路血管造影剤とも言う)は糸球体濾過により排泄されます。分子のサイズがかなり小さく、糸球体の孔を通り抜けられるからです。水溶性造影剤の分子量は2000未満で十分に小さいのです。

しかし造影剤分子自体のサイズが小さいことだけが要因ではありません。尿路血管造影剤は蛋白質(正確に言うとアルブミン)と結合しないという事実も重要です。もし結合すれば、これは大きな物質となり、糸球体の孔を通り抜けることができずに、血中に残ってしまうでしょう。

逆に、造影剤の分子がかなり大きいか、蛋白質と結合している場合は、別の経路で排泄されるはずです。では、どうすれば造影剤分子の蛋白結合に変化を起こすことができるでしょうか? 図12(「5番の目的はなんでしょうか?」)を思い出してください。ベンゼン環の5番に置換基が何もなければ、蛋白結合が増強されます。これは胆嚢・胆管造影剤をデザインする時に役立ちます。

現在使われている尿路血管造影剤では尿細管での分泌はごくわずかで、再吸収は全くありません。

正常な腎機能を持つ患者では造影剤の約半分は投与後最初の30~90分で排泄されますが、腎機能障害の患者の場合、もっと長くかかります(20~140時間)。通常では24時間後には投与量の85%以上が腎臓を経由して排出されます。面白いことに、尿路血管造影剤の一部は異なる経路で身体から排出されます。

汗と涙

尿路血管造影剤は95%以上が腎から排泄されます。腎以外の経路は異所性排泄とか代償性排泄と呼ばれますが、全体のせいぜい5%にすぎません。その中には他の体液、つまり汗、涙、唾液や胆汁などによる排泄があります。最もよく知られているのは胆汁中排泄でしょう。

通常は造影剤の胆汁中へ排泄の絶対量は少ないのですが、大量の造影剤を投与すると数時間後にはCTで(あるいはX線撮影でも)描出されることがあります。

腎機能障害の患者では造影剤の腎以外での排泄がより多く、投与量の10%にもなりますが、なぜでしょうか? 造影剤の血中滞在時間が延長するためです。面白いことに、片側性腎疾患の患者、特に片側性腎閉塞の患者でも胆汁排泄の増加がみられます。

腎臓による造影剤の排出についてもう少し詳しく

高浸透圧造影剤を注入すると、特に腎動脈に直接注入すると、腎血流に変化が起こります。血流はまず増加し、それから減少しますが、これはどう説明すればいいでしょうか?

造影剤を注入するとその浸透圧のため、水分が血管内へ取り込まれます。この水分の一部は腎の血管外の間質に由来するもので、この水分喪失によって腎が一過性の収縮を起こします。間質液が少なくなると間質圧が小さくなるので、小血管はそれほど強くは圧迫されません。したがって、抵抗が小さくなり血流が増加します。

この説明が正しいとすれば、他の高浸透圧溶液を注入しても血流の増加が観察されるはずです。実際に全くそのとおりになります。では、続いて起こる血流の減少はどう説明すればいいでしょうか? 造影剤は排泄される時、ある程度の量の体液(水)を道連れにします。そうすると腎尿細管からの正常な水の再吸収が抑制され、尿細管は前よりも多くの量の体液を含むことになり、それが周囲の血管構造を圧迫します。結果的に腎が拡大し、腎血流は減少するのです。

この説明は単純化したものであり、完璧に正確というわけではありません。糸球体-尿細管フィードバックのような機構も役割を担っているからです。しかし、この話は私たちの当面の目的達成にとっては煩雑すぎます。

造影剤は糸球体で濾過された後、尿細管を通過する際にどんどん濃縮され、濃度は100倍以上にもなります。この濃縮された造影剤が周囲を傷害し、例えば尿細管細胞の損傷を引き起こすことは想像に難くありません(血管内皮を刺激するのと同じです)。

このような尿細管や集合管の細胞への損傷は、ある物質の尿への放出を招きます。例としては、主に近位細胞の尿細管損傷を示唆する、シスタチンCまたはKIM-1や、遠位細胞の損傷を示す好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)などがあります。これらの物質が多ければ多いほど、損傷は顕著であることになります。

造影剤の腎毒性および造影剤が引き起こす急性腎障害について何がわかっているのでしょうか?

造影剤による腎障害は常に懸念されていた合併症でした。しかし非イオン性モノマー型造影剤が登場してからは、その発現頻度は低くなりました。最近では、非イオン性モノマー型造影剤は、正常な腎臓に、そのような問題を起こすということさえ疑問視されるようになっています。しかし、腎障害は起こりえますので、さらに議論するべきでしょう。

残念ながら、造影剤による腎障害のテーマは、化学毒性や濃度、粘稠度、尿細管や血行動態の影響等、様々な要因が関与していることから相当複雑です。

もし造影剤投与から72時間以内に血清クレアチニン値の0.5mg/dL(44.2μmol/L)以上の上昇、または基準値に対する25%以上の上昇が認められれば、それは造影剤誘発急性腎障害(CI-AKI)と定義されています(他に考えられる腎機能障害の原因がない場合)(注:CI-AKIと呼ばず、造影剤腎症(CIN)という古い用語で呼ぶこともあります)。

72時間という制限は一般的に受け入れられておらず、造影剤投与後7日以内に発現したあらゆる腎機能障害はCI-AKIと考えるべきであるということが示されています。ここでも他の原因は排除されています(さらに血清クレアチニン値に関し若干異なる定義がありますが、引用されたものが最も広く用いられているものです)。

通常、血清クレアチニン値は造影剤投与2~5日後にピークに達し、2週間以内に正常に戻ります。しかし、時にはある程度の腎障害が残り、罹患患者の1%未満で透析が必要となります。

おそらく現時点で血清クレアチニンについていくつかコメントがでてきているでしょう。

血清クレアチニンは、感受性はそれほど高くなく、筋肉量やその他の要素に影響を受けますが、腎機能のマーカーとして一般的に利用されています。血清クレアチニンは1日の中で生理的変動も示します。定常状態で評価されなければならないため、継続的なプロセスでは価値が限定され、腎機能の変化は血清クレアチニン値を用いると遅れて反映されます。

血清クレアチニンの代替として、推算糸球体ろ過量(eGFR)を使って、腎機能を示すことができます。eGFRの方がより感受性が高く、年齢、性別、人種に対する調整が可能です。

eGFRは異なる方程式で計算が可能ですが、これらには血清クレアチニン値が含まれます。そのためeGFRも血清クレアチニン値の限界の影響を受けてしまいます。糸球体ろ過量の測定はより正確ですが時間も費用もかかりすぎます。そのため血清クレアチニンと―望ましくは―eGFRが臨床的に腎機能を示すために使われています。いずれの数値も正常な人の場合においても経時的変動を示す可能性があります。ですから、例えば造影剤投与後に観察された変化すべてが、投与された物質に由来するものではありません。

eGFRは通常コンピュータか各種オンラインサービスの助けを借りて算出しますので、計算に必要な方式についてはここでは言及しません。念のため申し上げると、正常ではeGFRは90mL/min/1.73m2超ですが、腎臓が障害を受けると60mL/min/1.73m2未満になる腎傷害が示唆されています。さて、造影剤の問題に戻りましょうか。

造影剤の投与がいかにして腎機能障害を招くのでしょうか?

既述のものも含め、さまざまなメカニズムが示唆されています。その多様性からこの問題が明快ではなく、おそらく多くのメカニズムが関与しています。

  • 造影剤の注入によって起こる腎血流の減少が原因という仮説があります。粘稠度上昇、赤血球の変形、血管壁への直接的な作用による血管収縮、および様々な腎内代謝物(アデノシン、NO、エンドセリン、プロスタグランジン等)もこの問題に寄与しています。
  • 尿細管細胞に対する造影剤の直接的な毒性作用によるとも言われています。近位尿細管の内膜の一部が傷付き、これが尿細管腔にこぼれ落ちて管腔を閉塞するのかもしれません。これが「閉塞するブレブ」を引き起こし、造影剤投与後に急性腎不全が起こる原因であると信じる者もいます。
  • もう一つの仮説も尿細管閉塞に基づくものですが、少し違う機序です。それは、造影剤が尿中の蛋白質と結合して半固形のプラークを形成し、これが尿細管腔を詰まらせる、という論理です。このようなタム‐ホースフォール(ムコ)蛋白は、近位尿細管で産生され尿中に排泄されるものですので、正常な状況下で起きる可能性があります。また、蛋白質が尿中に入り込むとしたら、それは形質細胞腫の患者におけるBence-Jones蛋白のように、それ自体が病的だから、または腎が傷害されているから(面白いことに、腎血管造影により蛋白尿になることがあります!)、などが前提として考えられます。
  • 時に造影剤そのものが閉塞を引き起こすこともあるかもしれません。非イオン性ダイマー型(イオジキサノール)で、造影剤は腎臓を通り抜ける間に濃度が上昇することが示されました。そして粘稠度が劇的に上昇し、造影剤だけで尿細管の流れが有意に阻害されるためです。

とても興味深いことに、造影剤誘発性腎不全の時のX線像はこの尿細管閉塞の理論でうまく説明できるのです。この場合、造影剤は尿細管に入り込みますが、腎杯には流れません。造影剤を投与すると腎ではゆっくりと濃度が上昇し、この腎の増強は長時間続きますが、尿路へ造影剤が排泄されることはありません。

どのように造影剤誘発性急性腎損傷が引き起こされるのか、正確な科学的説明は未だにはっきりしませんが、複数のメカニズムが原因であるようです。化学毒性と特に尿細管内の造影剤の粘稠度が主要因と思われ、それ自体が内皮および尿細管の損傷に関与しています。腎内の血管収縮、髄質灌流減少、糸球体ろ過量減少、尿細管の潅流減少などの要因が事を複雑にしています。

造影剤誘発性急性腎障害の危険因子がありますか?

理由はともかく、造影剤誘発性急性腎障害(CI-AKI)のリスクが高い患者がいます。明らかになっている危険因子をいくつかリストアップしてみましょう。それらの危険因子の背後には論理的に考えることができ、理解するのは難しくはありません。

脱水状態の患者はかなり濃縮された尿をごくわずかだけ産生します。造影剤を投与すると、その尿中濃度はきわめて高くなります。そのため、尿細管の内膜では正常の時よりも強い変化が見られます。また尿細管の中の流れは遅くなるので、この濃縮された造影剤を含む尿と尿細管の内皮との接触時間が長くなり、損傷もより強くなります。したがって、造影剤を投与する患者の脱水症を避けなければならないのは明らかです!脱水の場合、水分補給は、静脈内に投与で行うことができますが、特定の臨床状況に応じて造影剤投与約15~20分前の経口水分摂取も可能です。水分過剰によってさらに効果を得ることはないようです。

大量の造影剤

造影剤の基本的な直接作用を考えれば、造影剤の量が多くなるにつれて問題が生じる可能性が増えることは驚くべきことではありません。正確な閾値は明らかにされていませんが、投与する造影剤の量が多くなるほど、重篤な腎障害のリスクが高まると言われています。(計算を簡単にするには:体重75kgの患者に対し濃度300mgI/mLの造影剤を200mLと換算できます。)

複数の造影剤投与

重要なのは、患者は既に造影剤を投与された可能性がないか、そして投与した造影剤が体内に残っていないか、ということを考慮することです。特にリスクのある患者では、2回の造影剤投与の間隔を十分に空けることが必要です。少なくとも2日~5日と推奨する期間には幅があります。

これも重要な要因です。イオン性造影剤を投与した場合に比べると、非イオン性造影剤で腎機能障害になることは少ないのですが、等浸透圧の非イオン性造影剤を使えば腎の忍容性がより高まるかどうかは明らかではありません。意見が分かれていて、最近では否定的な意見も多いのです。一方、低浸透圧の非イオン性造影剤の投与はすべての患者に対して推奨されています。

既存の腎疾患

これはさまざまな理由で危険因子となります。機能しているネフロンの数が少なくなっていると、個々のネフロンが受ける造影剤の負荷は相対的に大きくなります。さらに蛋白尿があると、プラーク形成のリスクも高くなります。どうすれば既存の腎疾患を見つけられるでしょうか? もちろん臨床検査を実施してもいいでしょう。血清クレアチニン値が1.4mg/dL(123.2μmol/L)未満ならふつうは正常と判定されます。しかし、これは必ずしも腎機能が正常であることを意味しません。例えば高齢の患者なら1.4mg/dLは腎機能障害を示唆しているとみなすべきです(高齢患者では総筋肉量が減少し、クレアチニンの産生が低下しているので、1.4mg/dL(123.2μmol/L)でも糸球体濾過率の低下が示唆されます)。(「造影剤の腎毒性および造影剤が引き起こす急性腎障害について何がわかっているのでしょうか?」eGFRも参照)

訳者注:日本人では欧米人に比べてクレアチニン値は少し低値で、基準値としては男性で0.8~1.3mg/dL、女性で0.7~1.0mg/dL(Jaffe法)です。

また、血清クレアチニン値の上昇は腎機能がかなり損なわれている証拠だということも覚えておくといいでしょう。数にして半分以上のネフロンが機能しなくなっている可能性があります。片腎の患者でもクレアチニン値が正常なのは、こういうわけなのです。

糸球体濾過率が低下する(特に60mL/分未満になる)と、造影剤誘発性腎不全のリスクが高くなります。リスク推定のための公式については、米国腎臓財団のウェブサイトで調べることができます(www.kidney.org/professionals/tools/)。

訳者注:日本人での計算式は日本腎臓学会のウェブサイトで、「CKD関連」として掲載されている腎機能推定ノモグラムから確認することができます(www.jsn.or.jp/)。

糖尿病

腎不全を発症するリスクは既存の腎機能障害の程度と相関します。すでに腎機能低下や蛋白尿が認められる患者は特にリスクが高く、糖尿病患者では腎で微小血管の変化が見られ、これが腎内の血流を阻害し、尿細管に対する造影剤の負荷を不均等にしてしまいます。また、蛋白尿があると、尿中の蛋白質は前述のようにプラーク形成を招くかもしれません。さらに、糖尿病では、造影剤による内皮細胞の損傷をより受けやすくなり、内皮機能不全が確認されることもあります。

腎毒性のある薬物

腎毒性のある薬物を服用している患者でリスクが高いことは言うまでもなく、すでに腎障害が起こっている可能性もあります(ただし、血清クレアチニン値のような感度の低いパラメータではまだ検出できないかもしれません)。造影剤が腎毒性を強め、腎不全を憎悪させる可能性があります。ですから、造影剤投与の観点から言えば、可能ならば腎毒性薬は中止するか、腎毒性の物質は投与開始しないことが賢明と思われます。

異常蛋白血症

多発性骨髄腫などの患者では異常蛋白が尿中に排泄されることがあり、造影剤を投与すると前述のようにプラーク形成を招きやすくなります。異常蛋白は多種多様で、それぞれの患者が独自の異常蛋白を産生するため、腎障害の可能性もそれぞれ異なります。それで、造影剤に忍容性を示す患者がいる一方、問題が生じる患者もいるわけです。しかし、異常蛋白が見られるのは多発性骨髄腫だけではないことを忘れないでください。形質細胞腫、寒冷凝集素症、悪性リンパ種、時には癌(上皮性悪性腫瘍)、それから全身性エリテマトーデスでも見られます。

心血管疾患

腎性または腎前性の血管閉塞が腎灌流と腎機能の低下を招くことは容易に想像できますよね。

高齢(70歳超)

ネフロンの数は加齢に伴って減少するので、高齢者ではしばしば腎機能が低下しています。血管疾患による灌流障害もよくあることで、そうすると残存ネフロンへ不均等に負荷をかけます。高齢者ではすでに心臓や循環器系に問題があることも多く、これ以外にも多くの因子が関与します。

高血圧

高血圧患者はしばしば腎前性または腎性の血管障害を抱えていて、血圧が高いことに起因する腎障害がよく見られます。

  • 高尿酸血症:高尿酸値は腎疾患の独立危険因子であることが明らかになり、同様に腎疾患はCI-AKIの危険因子となります。
  • 以前は、造影剤の動脈内投与は、静注よりも造影剤誘発性腎不全を起こすリスクが高いとされていたようです。腎臓に達する造影剤の濃度が高いほうが、CI-AKIのリスクが高まると考えられていましたが、このメカニズムは最近疑問視されてきました。そして代わりに動脈内操作が原因として議論されています。血管造影後/IVR後のCI-AKIはCI-AKIとは全く異なるもので、他の危険因子が原因かもしれません。さらに複雑なことには動脈内操作の理論も疑問視されています。動脈内造影剤投与を受けた患者の罹患率が高かったのが実際の原因かもしれません。

造影剤誘発性急性腎障害をどうやって防ぐか?

一般的に造影剤誘発性急性腎障害は、リスクのある患者を特定し、造影剤を使用しなければならない場合は、最低限量の造影剤を使用して防ぎます。元々存在する腎障害は、血清クレアチニンまたはeGFRで評価できますが、すべての症例で測定する必要はありません。これについてはまたのちほど説明いたします(「造影剤を他の薬物と混ぜても大丈夫か?」参照)。

静脈内への造影剤投与を受けるすべての患者は十分に水分補給をする必要があります。十分な水分補給を行えば、微小循環が改善し、尿排泄が促進され、造影剤が腎の中であまり濃縮されずに速やかに体外へ排泄されます。造影剤投与前の脱水は避けなければなりません!

現在では忍容性が高いことから、当然ながら非イオン性造影剤が使われています。腎臓に対する影響については、非イオン性モノマー型は同等と考えられますが、モノマー型とダイマー型では重大な違いがあります。当初はモノマー型よりダイマー型は忍容性があると期待されていました。しかし、上で述べたように、粘稠度の上昇が問題になる可能性があります。例えばイオジキサノールが腎臓を通過するときに濃縮されると、粘稠度が高くなりすぎて尿細管内での流速が落ち、尿細管内圧が上昇します。これにより直細動脈の圧排が生じることになります。直細動脈を囲む周皮細胞が造影剤に曝露して収縮するため、造影剤への反応としてこれらの小血管は収縮します。最終的には、潅流低下し、低酸素や腎障害をもたらします。尿細管内での流速が落ちることで、高濃度の物質がゆっくり流され、局所的に刺激や損傷が加えられます。このような物質を注入するときは、患者は確実に水分補給を行うべきですが、外来患者の場合、特に困難かもしれません。

非イオン性モノマー型では、この粘稠度に関しては問題ではありません。

  • これらの物質は初めから粘稠度が低い
  • 浸透圧により尿細管内で液体と結合するので、それほど濃縮されることはなく危険なレベルまで粘稠度が上昇することはない
  • 浸透圧性利尿効果のため、これらの造影剤は腎臓をよく「流れる」ことができ、濃度が低いため、尿細管を刺激することもない 

腎に対して安全な側面を持つにもかかわらず、推測より「は」かなり少なかったものの、非イオン性造影剤もやはりCI-AKIを引き起こします。そのため腎臓を保護するような物質の探求が引き続き行われていることは驚くべきことではありません。

様々な化合物がCI-AKIのリスクを低減するのではないかと考えられてきました。アセチルシステイン、テオフィリン、アミノフィリン、抗酸化物質、エンドセリン受容体拮抗薬、スタチン、その他にも多くの化学物質が評価されました。その中でもいくつかの化学物質は若干の効果を示しましたが、その他の化合物の有効性はあいまいで一貫性がなく、現時点で一般に推奨することはできません。

このテーマについて説明を加えることは、本書の範囲を超えているため、このテーマを専門に扱った文献を参照するべきですが、間違いなく興味深く、重要です。

造影剤の投与量はどこまで増やせるか?

残念ながら、造影剤の投与量と腎機能障害のリスクとの間に直接的な用量反応関係はありません。それは、発症に多くの因子が関与していることからも説明がつきます。

こんな経験があります。若い健康な男性に非イオン性造影剤800mL(300mgI/mL)を約120分かけて投与したところ、何の問題も起こりませんでした。対照的に、健康そうに見えた患者に同じ造影剤を150mL投与しただけで、造影剤誘発性腎不全を起こしました。だから、造影剤の量を患者の体格、腎機能、年齢に応じて調整することが大切なのです(幼児や高齢者はリスクがあります)。

造影剤の投与量はどこまで増やせるか?

イオン性造影剤では、通常、最大投与量は、約2mL/kg体重(濃度300mgI/mL)であると多くの放射線科医師が考えています。これは忍容性の高い非イオン性モノマー型造影剤では緩和されて、腎機能が正常で他に危険因子のない成人では、300mL~350mL(約3~5mL/kg体重)まで安全とされています。ただし、これで何も問題が起こらないという保証はないことを忘れないでください。

忘れないでほしいのは、腎臓の問題を避けるのに最も重要なことは患者の十分な水分補給です。特に暑い天候の場合では、高齢者だけでなく若者の脱水が見逃されがちです。

外来患者への造影剤投与の15~20分前に経口で水分をとることで水分補給を助けます。