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Everything about X-ray Contrast Media

あらかじめ注釈をいくつか

 

本文を読む前に、次のことを心に留めておいてください。

  • 本書は、X線造影剤についてのみ書かれており、簡潔化のため造影剤(CM)としています。したがって造影剤と書かれていれば、それはX線造影剤を指しています。
  • 著者は造影剤とその使用法が重大なテーマであることをよくわきまえています。本書では、ひとえに(著者の主観的な推測ですが)しばしば軽視されているような事柄についての知識を伝え、広めたいと思います。
  • 本書は、造影剤に関する包括的な教科書ではなく、序論、各テーマについて興味を引く紹介部分として、造影剤について基本的な著者の考えを示したものです。
  • 話をわかりやすくしたので、いくつかの説明あるいは書かれている「別の事実」は科学的に100パーセント正しいとは言えないかもしれませんが、これは読者に記憶してもらえるように述べられたためです。
  • 本文で話題にしているのは、もっぱら水溶性のヨード含有造影剤、いわゆる尿路血管造影剤です(最近ではCTにおいて最も多く使用されることから、「コンピュータ断層撮影」造影剤とも呼ばれていますが、それは使わず旧式の用語を用いています)。
  • ほとんどの国で、イオン性X線造影剤はもはや主要な役割を果たしてはいませんが、本書で取り上げています。これは教訓的な目的のためです。イオン性造影剤の基礎およびイオン性と非イオン性造影剤の違いを知ることで、造影剤と身体の相互作用に関する基本的なメカニズムを理解し記憶しやすくなるでしょう。
  • 本文はあえてきっちりした論理的な構成にはしていません。著者は、内容が重すぎて退屈になりそうな時は、話題を切り換えるようにしました(これは著者自身の注意力の範囲で判断したので、意見が分かれるかもしれませんが)。
  • 本文中で同じことを何度も繰り返しているのは、意図的なもので、偶然ではありません。
  • ドイツ国内ではイオン性造影剤に代わって非イオン性造影剤が広く使用されるようになりましたが、ここではイオン性造影剤についても詳しく解説しました。造影剤に関する問題とその解決法は、その背景を知ることにより、さらによく理解できると思います。

訳者注:わが国ではイオン性造影剤の血管内投与の適応はすでにありませんが、本書では造影剤の解説や理解を促すために、イオン性造影剤の血管内投与についての記載がでてきます。造影剤を実際に使用する場合には、必ず使用する造影剤の適応を確認してください。

本書はいくつかの部分に分かれています。

  • 第1部は、水溶性ヨード造影剤に関する基礎的な概論です。この第1部から得られる情報は知っておくべき最低限のことです。もし皆さんがまだ造影剤について興味を持ったことがないのなら、特に役に立つかもしれません。
  • 第2部(「II.もっと詳しく」)は、造影剤のさまざまな側面について少し詳しく扱っています。これらすべてが皆さんにとって興味深いか、意味があるわけではないかもしれません。ところどころ拾い読みしていただいてもいいです。
  • 第3部は造影剤のテーマに関するよくある質問、そして皆さんに面白いと思っていただけそうな質問を集めたもので、回答も各質問の後に用意してあります。

本書の、特に副作用の治療に関する章では、様々な薬剤について述べています。それらの薬剤の一部は、どこでも入手できるものではないかもしれません。読者の住んでいる地域では、リストに掲載された目的のためには一般的に使用されていなかったり、異なる用量やレジメンで投与されていたりするかもしれません。ですから、「現地の状況」に合わせてください。リストには適切で正確な用量を掲載するように注意を払いましたが、間違いが起こらないとは言えません。ですので、「投与前にはダブルチェック」をしてください!

  • 文献リストには少数の出典を挙げるにとどめました。他にも、造影剤に関する膨大な数の論文がありますし、インターネットでもより多くの情報をオンラインでみつけることができます。

皆さんがもし本書に記したことをすべて知っているなら――おそらく皆さんならそれもありうるでしょうが――造影剤に関する講義や講演をする時のヒントがいくつか見つかると思います。

本書に対して何か提案、意見、批判などがあれば、それから賛辞があればもちろんですが、いつでも遠慮なく知らせてください。

では、そろそろ始めましょう。