バイエル画像検査室

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MR室

拡散強調画像におけるb値の由来

MRI検査で聞くb値ってなんですか?

拡散強調画像で撮像時に設定する値だね。b値の由来は面白いから調べてみるといいよ。

拡散強調画像におけるb値の由来

現在のMRI検査では検査部位を問わず、拡散強調画像が撮像されることが多くなっています。拡散強調画像の撮像シーケンスの多くはEPI(Echo Planer Imaging)法を利用しています。古くはConventional SE法やGradient Echo法を用いた拡散強調画像が撮像されていました。さすがにConventional SE法での撮像は今では臨床現場で聞くことはありませんが、Gradient Echo法は現在でも用いられることがあります。

また近年では高速SE法においても拡散強調画像が得られるようになってきています。拡散強調画像では、プリパレショーンとしてMPG(Motion Probing Gradient)を印加して拡散のコントラストを得ています。MPGは異なる印加強度を用いて、見かけの拡散係数ADC(Apparent Diffusion Coefficient)を計算する事ができ、ADCの値を計測する事で組織の性状を判断することに用いられています。

このADCを算出するには異なる強度のMPGが必要ですが、その値をb値(s/mm2)として表しています。拡散強調画像においてb値は拡散の度合い(程度)を示す指標です。したがってb値が大きいと拡散される度合いも大きくなります。

ところで、拡散を表す値ならD値(diffusion)の方が適切ではと思ったことはありませんか。拡散を勉強すると必ずフックの法則に出会うと思います、そこで拡散係数D値にも出会います。
もちろん、先に拡散係数D値を習った方も多いことでしょう。いずれにしてもD値はすでにある値ですから使用することはできません。

異なるMPG(b値)から見かけの拡散係数ADCを求めることを提唱したLe Bihan先生の名前にある“b”から取ったといわれています。Denis Le Bihan先生は親日派で知られており、日本語にも精通されているので、国際学会等でお見かけしたら日本語で話しかけてみてください。
きっと、気さくに対応してくださると思います。

ISMRM2014でLauterbur Lectureにて講演されるDenis Le Bihan先生
写真はISMRM2014でLauterbur Lectureにて講演されるDenis Le Bihan先生
演題名:Probing a Microscopic World at a Macroscopic Scale: The Magic of Diffusion MRI

なるほど。いろんな数値の値に発見者の名前が用いられているのと同じだったんですね。

PP-PF-RAD-JP-0098-04-02