バイエル画像検査室

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線量管理室

SSDE活用法

RadimetricsのSSDE算出機能について詳しく教えて下さい!

2種類のSSDE算出方法と、それに伴って算出される体系指標について解説するよ。

SSDE活用法

Radimetricsは、主に医療被ばくを一元管理するためのシステムです。今回は、このRadimetricsの機能の中でCTの医療被ばく管理に有用とされる、SSDE(:Size-Specific Dose Estimates)算出機能について紹介します。

SSDEは、線量指標の一つであるCTDIvolの、不確定さを補正するために提案された線量指標です。SSDEの基本的な概念については「小児検査における線量評価」でもご紹介していますのでぜひご覧ください。「小児検査における線量評価」では、SSDEの算出方法として、AAPM Report No.2041)記載の方法を紹介しましたが、SSDEにはもう一つの算出方法があります。AAPM Report No.2202)に準拠した、“水当量直径(:water equivalent diameter )”を元に算出する方法です。No.204における方法と、No.220における方法の違いは、被検者体型の補正方法です。前者は体幹部の長径と短径から実質的な被検者の直径、実効直径を算出しますが、後者では体幹部の断面積およびHU値から水当量直径を算出します(図1)。水当量直径を算出するメリットは、体組織が不均一である領域(特に肺野)において、X線透過度を考慮し補正できる点です(図2)。このSSDEを管理できるだけでも、Radimetricsは大きなメリットをもたらすといえるでしょう。

Radimetricsに備わる機能と、SSDE算出機能を組み合わせる事で、更なるメリットを発揮することができます。 Radimetricsは多種多様な統計分析グラフを様々なソースデータから作成することができます。被検者体型ごとに、線量やプロトコルの関連性を分析する際、被検者体型を表す情報としては身長や体重、BMIを用いる事が多いですが、RadimetricsではSSDE算出の過程で求められた実効直径や水当量直径を被検者体型の指標として使用する事ができます。これらの情報を用いることで、体重の割に体厚が薄い/厚い、胸水や腹水等の影響により一般と比べX線透過率が低い、取得された患者の体重情報が撮影時には変わっている、などから生じるイレギュラーを補正することができます。また、位置決め画像からだけでなくAxial画像からも被検者体型指標の算出を行うため、より精密な実効直径や水当量直径を提供することができます。

図1. 実効直径および水当量直径の算出機序
図1. 実効直径および水当量直径の算出機序
図2. 算出方法によるSSDEの違い
図2. 算出方法によるSSDEの違い

世界中で医療被ばく線量の実態調査が盛んに行われている中、年齢や体重だけでなく、このSSDE算出機能によって提供される被検者体型指標を含んだ線量情報を収集、分析することが今後ますます重要になると考えます。

【参考文献】

1)
AAPM Report No.204(2011):Size-Specific Dose Estimates (SSDE) in Pediatric and Adult body CT Examinations
2)
AAPM Report No.220(2014):Use of Water Equivalent Diameter for Calculating Patient Size and Size-Specific Dose Estimates (SSDE) in CT

PP-PF-RAD-JP-0098-04-02