バイエル画像検査室

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4人の放射線科スタッフがお届けします。

CT室 インジェクタとは

インジェクタを使用した造影剤注入で注意することはありますか?

看護師を技師に変更し刺入部の触診をしているイラストに変更

造影剤注入前の刺入部の確認等、血管外漏出に注意しています。

 CTの造影剤投与に関連する血管外漏出の発生率は0.1%~1.2%とされています。血管外漏出は低流速と高流速のどちらでも発生する可能性があり注入速度に関係ないと考えられています。
 インジェクタを使用した造影剤注入では、柔軟なプラスチックの留置針が用いられ翼状針などの金属針の使用は可能な限り避けられています。さらに、使用する留置針サイズは注入速度に適している必要があり、3mL/秒以上の流速では20ゲージ以上の留置針が好ましいと言われています。
 造影剤注入に適した部位は、肘前または前腕の大きな静脈であり、何らかの理由により手や手首などの静脈を用いる場合には、使用する留置針のサイズも細くなり通常流速を下げる必要があります。
 注入前および注入中には、被検者とコミュニケーションを図り、可能な限り被検者の協力を得ることも必要です。初期兆候や症状として、刺入部の腫れや圧迫感、血管外漏出部位の痛みや灼熱痛のある場合は報告していただくよう説明をします。しかし、不快感を訴えない被検者もいるため注意が必要です。血管外漏出の予防として確実に静脈内にルートが確保できていることが重要ですので、造影剤の注入前には、留置針が静脈内に適切に留置されているか確認しています。その方法としては、血液の逆流での確認を行いますが、適切に留置されていても、常に血液の逆流があるとは限りません。血液の逆流での確認だけではなく、生理食塩液を少量注入することで適切に静脈内に留置されていることを確認する方法もあります。このインジェクタ設定方法は、「知ると安心!インジェクタhttps://radiology.bayer.jp/tools/mail/ct26」ページにてご紹介しています。
 また、検査中には寝台が移動しますので、刺入部が引っ張られて抜針や針先がずれることがないようにインジェクタや、チューブ位置も確認する必要があります。留置したカテーテルの慎重な固定も大切ですね。

生理食塩液のテスト注入に関しては、「血管外漏出発生頻度 0%への挑戦 生理食塩液を本検査前に試験的に注入する方法の有用性についてhttps://radiology.bayer.jp/publication/symposium」もご覧いただければ幸いです。

参考資料:American College Of Radiology ACR Manual On Contrast Media2022