ポスター発表

フリートーク編(3)さりげなく売り込みを

ポスター発表

ふらりと立ち寄った人を捕まえ、自分の研究について話すように持っていく話しかけ方についてお話しています。今回はもう少しリラックスして、雑談から入る感じで行こうと思います。

前回まで、話しかけの定石としての

Do You have questions?

を使い、更に「よかったらざっと説明しましょうか」と聞いて、話を始めましょうということでしたね

今回はDo you have any questions?を使わずに話しかけるパターンです。

ポスター会場に人が多い時はたくさんの人が見に来ていて、一人と話し終わってようやくさっきからずっとポスター前に立っていた人に話しかける、ということも多いでしょう。ある程度ポスターを読んでもらっているわけですから、質問ももう見つけているかもしれないし、話したくて去らずに待っていたかもしれませんから、ディスカッションに持ち込める可能性も高いといえますね。

では、わりあい静かな時、どうでしょうか。ポスター横に一人、見に来た人も一人。発表者は横目で見に来た人をうかがい、ポスターを見ている側は視線をチクチク感じながら文字を追う...。結構気まずくありませんか?

この気まずさをまずはあいさつで崩してしまいましょう。そして「こんにちは」の後には、質問系で。

Hello, how are you?

もう一息。

Hi, how are you enjoying the conference?

ここで、「楽しんでますよ」「大きくてびっくりしたけど、すごく面白いわね」「いろいろ新しい研究が出ていて勉強になるね」なとなど、定型の会話以外が出たらしめたものです。ちょっと和んだところで、相手が明らかに若かったら

Are you a post doc?

Are you a graduate student?

などと聞いてみてもいいでしょう。そして相手のことを聞いたら当然自分のことも言いますよね。

I am a radiology resident doing research about protein XYZ. Do you know about it?

I am a research physician participating the study. Have you ever heard of ABC study?

I am working at the company OOO. We recently developed this contrast agent. Are you doing GI imaging?

自分の紹介に加え、ポスターの研究について話し、相手が何に興味を持っているのか、同じフィールドの人なのかを探ります。ポスターは似たテーマごとに区画されて貼らされるのが通常ですから、まったく門外漢の人はまず来ません。このあたりまできたら話せる人とはある程度前置きができ、相手が何を知っているか、何を知らないか、何を見たくてここに来たのかが少しは想像できるようになっています。また、構わないでほしい人の区別はここまでで十分つきますので、静かに放置して先に行かせてあげましょう。

一つ目の質問

I am a radiology resident doing research about protein XYZ. Do you know about it?

を例にとります。この質問をしてXYZ 蛋白を知らないと答えた人がするとします。それに対して、いろいろな返事ができますが、できれば雑談だけでなくそろそろ自分の研究を発表したいですよね。

I see, this is a very interesting protein. The expression goes up when...

今、私は想像の蛋白XYZ について適当に書いているのですが、ポスターを作った張本人の皆さんならば、この辺りはイントロに書いたはずで、頭に入っているはず。それを個人的に雑談に織り交ぜるだけです。そしてあまりだらだらとしゃべらず、適当に切って、例の言葉。

Would you like me to take you through?

これでほぼ間違いなく、この人はあなたの研究に耳を傾けてくれるはずです。

もしその人が「XYZ 蛋白、知ってるよ」と答えたら?その場合でもただ聞いたことがあるだけなのか自分の研究テーマなのか聞きだし、

I am curious how you would say about my results! とか

You must know much more than I do! などでつなげた後、

Can I explain what we are doing?

などと言って発表につなげていきます。

まあ、はっきり言って話すことは何でもいいんです。簡単な会話から入って、お互いの研究のことをちょっと話してリラックスしたところで「説明してもいいですか?」と本題に入る。これで「質問ありますか?」と始めるよりディスカッションにたどり着く可能性がぐっと高くなる、ということなんです。

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