ポスター発表

フリートーク編(2)積極的に売り込みを

ポスター発表

ポスター発表編に入ってから、私は発表をやたら商売と比較しているようです。実際にポスター発表と商売は似ていると思います。発表者は学者・医者もしくはその卵、商売っ気のある人がそんなにいるわけではありません。ちなみに国際学会には必ずエキジビションエリアがあります。行ってみてください。会社から派遣された人たちは訪問者が質問するのを待ってなんていないですよ。あの手この手を使って引きとめ、話をしようとしています。

さて、前回は発表者としての「話しかけ方」をお話ししました。ただし、「取りこぼせない人」を相手にした話し方だとの注釈付きでしたね。今回は棚ぼたが期待できる話しかけ方、つまりふらりと立ち寄っただけで特に質問は用意してこなかった人たちを捕まえ、話をし、いろいろなディスカッションを引き出すきっかけとなるような話し方についてお話ししたいと思います。

話しかけの王道は

Do You have any questions?

でした。多くの場合、え、いや…なんて言葉を濁されて終わりです。もしくは一つ二つ質問をひねりだし、はい、いいえで終わって「ふーん…」と言いながら少し無言で眺めて「ありがとう」と去っていくでしょうか。さらに言えば、質問がないけどちょっと興味があったから立ち止まった人を「質問ないなら帰って」と追い出すようなことになりかねません。だって、自分の研究でもないものに、パッと見てタイトルを読んだところで質問なんか出てくるわけないと思いませんか?質問がある人は、よっぽど似た研究をやっていて、自分のと比較しているか、自分が失敗し続けている実験系があるか、違った結果が出ているか、そんなところでしょう。

相手がうまく誘導してくれる場合には会話がはずんだりしますが、そういう人ばかりではありませんし、上にも書いた通りふらりと立ち寄った人はわざわざこちらから話を引き出そうとはしないかもしれません。話を引き出したいのはこちらです。というわけで、何とかこちらで工夫して話をつなげたいものです。

では、Do you have any questions? の後に、こう続けるのはどうでしょうか。

… or would you like me to walk you through?

… or may I take you through the poster?

… or shall I explain briefly?

… or I can go over quickly.

… or I would love to walk through with you.

… or I am happy to present you my data. Would you like me to do so?

と、まあ、いろいろバリエーションはあるのですが、「全体を簡単に説明しましょうか?」と付け加えるのです。これなら質問がない人でもまあ立ち止まるほどには興味がある人をとりあえず引き留め、話をし、うまくいけば質問やディスカッションを引き出すことができます。

ぱっと頭に浮かんだものを書きましたが、私はどれを使っているかなあ…。どれも普通に使っていますし、もっといろいろあるようにも思います。内容が「私、説明しますよ」であれば何でもいいんです。気を付けてポスター会場を歩いていると、そうやって話しかけてくる人、結構いますので、ぜひいくつか、いいなと思ったバリエーションを覚えて使ってみてください。

そんな言い方、ちょっと押しつけがましいかな?申し訳なくて言いづらい…と思う方、また、相手が一瞬ひるむなど反応がちょっと鈍い時など、次のようなセンテンスをつけるといいですよ。

… if you like.

… if your time allows.

… if you are interested.

もしよろしければ、もしお時間が許すようでしたら、もし興味がおありでしたら、といった感じですね。これなら「しまった!」と反応した人に逃げ道も提供することができます。

で、説明を断ってきた人には、

OK, if you get any questions, please feel free to talk to me any time.

Good, if you have anything, please let me know.

Thanks, if you get questions, anytime.

などなど、いつでも声をかけてくださいねと言っておいて、静かに時間をあげましょう。自分でポスターを読んでからあとから話しかけてくる人も実際にいますので。

さて、こんな感じで誰かを捕まえたら、あとはその人を相手に話をしていけばよいのです。一対一なのでリラックスして話せると思います。どのように話していくかは次回よりお話していきたいと思います。

そうそう、ちなみにこの「ふらりと立ち寄った」感のある人の中には、ポスター賞のレフェリーが隠れていることが結構あります。彼らは必ず全体を話すように持っていきますので、やりやすいとは思いますけどね。

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