Radimetricsとの連携で蓄積したデータを活用、患者の安心と安全を守る「ステラントCWS」

Radimetricsとの連携で蓄積したデータを活用、患者の安心と安全を守る「ステラントCWS」
Radimetricsとの連携で蓄積したデータを活用、患者の安心と安全を守る「ステラントCWS」

鹿児島市立病院

〒890-8760
鹿児島県鹿児島市上荒田町37番1号 TEL:099-230-7000
診療科:救急科、脳神経外科、新生児内科、リウマチ科、小児科、小児外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、歯科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、形成外科、麻酔科、精神科、病理診断科、循環器内科、神経内科、消化器内科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器外科、心臓血管外科、乳腺外科、糖尿病・内分泌内科、血液・膠原病内科、腎臓内科、脳神経内科、腫瘍内科、総合内科。専門センター:総合周産期母子医療センター、救命救急センター、脳卒中センター、女性専用外来、da Vinci導入。全職員1,350名(6月1日現在。臨時・非常勤含む)。


柔軟なプロトコル設定と簡便な操作性、患者の被ばく線量低減が導入の決め手

 鹿児島市立病院(574床)は32と多くの診療科を持ちながら、救急医療、成育医療、がん診療に注力し、高い専門性を両立した施設だ。ドクターカー、ドクターヘリの基地病院であるほか、内科、産婦人科、救急、総合診療医育成の基幹施設にもなっており、鹿児島県の医療の要を担っている。放射線科医師7名、診療放射線技師27名(臨時1名)、看護師7名。モダリティは一般撮影装置11台(デジタルマンモグラフィ1台、DEXA1台、ESWL1台)、X線透視装置5台、X線血管撮影装置4台(うちIVR-CT1台、心カテ1台、汎用1台、OPE1台)、CT3台、MRI2台(1台増設予定)、SPECT-CT1台、PET-CT1台、LINIAC1台、RALS1台、治療計画用CT2台、ポータブルX線撮影装置7台など多様に揃えており、3.0T MRIの3台目導入が決定した。信頼性を保つためにモダリティの保守契約も結び、また装置を拡充する一方で診療放射線技師の増員にも力を入れており、「安心安全な質の高い医療の提供」という理念に則った体制が作られている。

 同施設では2016年からステラントCWSが導入されている(図1)。 放射線技術科の隈 浩司先生はその理由として、プロトコルのカスタマイズで柔軟な運用ができること、ユーザインタフェースがわかりやすく慣れていない人でも扱えることを挙げ、その使いやすさを高く評価した。また線量管理システムである 「Radimetrics」と連携できることも、ステラントCWSを導入した大きな理由のひとつに挙げている。

CT検査室の様子、天吊りタイプのステラントCWSが設置されている
図1 CT検査室の様子、天吊りタイプのステラントCWSが設置されている

Radimetricsでの被ばく線量管理システムとその蓄積データの活用法

 患者さんの被ばく線量を可能な限り減らしたいという想いのもと、「Radimetrics」の導入に踏み切ったという。当初は「本当にそんな機能が必要なのか」との声も周囲から上がったが、線量管理の法制化が決まり多くの施設が対応に追われる今、その選択には先見の明があったと隈先生は振り返る。

 「Radimetrics」は、CT装置より送信されたRDSR(Radiation Dose Structed Report)からの線量情報を抽出して表示・蓄積することができる(図2)。小児、心臓、頭部(特に水晶体)領域の検査では特に有用とのことで、現在用いているプロトコルの線量とDRLを比較し、あまりにもDRLを上回る線量の検査があれば、それを低減する取り組みを行っている。さらに、被ばく線量の低減が患者さんに対して、どのようなリスク回避になるかを明確にし、病院事務局とも共有し、バージョンアップの購入手続きを円滑に進めることができたという。

Radmetricsでは検査毎に臓器線量などの被ばく線量情報を参照することができる。
図2 Radmetricsでは検査毎に臓器線量などの被ばく線量情報を参照することができる。

 また、線量情報の蓄積がより直接的に患者の役に立ったこともある。小児の検査前に、母親から検査の線量について問い合わせがあった。その際には「Radimetrics」から同年代の小児の検査情報を集めて推定被ばく線量を割り出し、母親へ十分に説明を行い納得してもらった上で検査に進むことができたそうだ。検査を受ける本人よりも、むしろその家族が不安を感じることが多いそうで、そこに予想される線量を提供することで、安心して検査を受けてもらいたいという。

造影剤の注入量・注入レートを実測値で表示・保存でき、造影プロトコルの最適化、再現性を高める

 話をステラントCWSと「Radimetrics」の連携に戻すと、造影剤の注入情報を実測値で表示・保存・抽出できる、すなわち、注入条件(設定値)と実測値の差を把握できることが利点だという(図3)。さらに、CTの撮像条件と合わせて、1つの画面で確認することができるため、より確実な分析を行い、造影プロトコルの最適化、再現性を高めることが可能だ。

注入速度と注入圧の推移が波形として表示される
図3 注入速度と注入圧の推移が波形として表示される

 また、造影剤注入を途中で止めた検査(血管外漏出が起こってしまった場合など)の情報を保存し、後で抽出することもできる。「今後、現行では、RIS情報に入力している造影詳細情報を、ステラントCWSに保存できることで、今後の造影時の情報として活用できると思われます。また、電子カルテシステムとの連携により、患者毎の造影剤情報がわかり、より安全な検査が可能になるでしょう。同様に、被ばく管理もカルテにレポートとして保存できれば、主治医、患者へも被ばく情報が伝達できます。診療の目的に応じた、画質と線量のバランスが必要であり、放射線検査への最適化が実現できると思われます」と隈先生は語った。

自動化の中でも人間の手は欠かせない

 検査をサポートする4つのオート機能を備えている点も、ステラントCWSの特徴だ。プランジャーとインジェクターのピストンを自動で結合するオート・ドッキング、エア抜きをしつつ生食を充填するオート・ロード、チューブ内のエアを排出するオート・プライム、シリンジを取り外すとピストンが元の位置に戻るオート・リトラクトからなり、いずれもボタン操作1つでインジェクター側が自動的に行ってくれる。これについても、安全性を保ちながら検査の効率化にも繋がっていると操作性を評価する隈先生。一方でボタンを押せば自動で工程が進むというオートメーション化が徹底されているがゆえ、どこかのプロセスで不具合が生じればそこで止まってしまう。シリンジがはまっていないために止まっているだけの状態を故障と勘違いされる場合もあるそうで、終わった後の清掃など、十全に機能を発揮できるためのひと手間を忘れてはいけないとのことだ。

 また、生食は、臨床上、CTアンギオや腎機能低下の方への混注、後押などの目的で使用し、血管外漏出目的でも、テストインジェクションをしている。検査のための生食は毎朝事前に用意しておくのではなく、感染のリスクを考慮し検査に合わせてその都度準備するとのことで、患者さんの安全管理に注力していることが伺えた。

 デバイスの今後の展望について、放射線技術科長を務める瀬戸和人先生は「AIやデバイスによる自動化が流行しており、実際昔に比べて非常に便利になったとも感じています。しかしそれもデバイス単体では完全ではありません。どれだけ自動化が進んでも任せきりにせず、最終的な確認を行い、思考する人間の手は必要でしょう」と語った。また安全性の確保と検査効率の維持の両立も、これから見据えるべき課題のひとつであるとした。


瀬戸和人先生

瀬戸和人先生

鹿児島市立病院
放射線技術科 科長

隈 浩司先生

隈 浩司先生

鹿児島市立病院
放射線技術科

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