造影CT検査の効率化と安定稼働を手助けする
CT用インジェクター「Stellant D Dual Flow」

造影CT検査の効率化と安定稼働を手助けする CT用インジェクター「Stellant D Dual Flow」
造影CT検査の効率化と安定稼働を手助けする CT用インジェクター「Stellant D Dual Flow」

長野県厚生農業協同組合連合会 南長野医療センター篠ノ井総合病院

〒388-8004 長野県長野市篠ノ井会666-1
TEL:026-292-2261
病床数:433床
診療科目:内科/糖尿病・内分泌・代謝内科/心療内科/腎臓内科/呼吸器外科/心臓血管外科/精神科/呼吸器内科/消化器内科/循環器内科/リウマチ科/小児科/外科/消化器外科/整形外科/形成外科/脳神経外科/臨床検査科/皮膚科/泌尿器科/肛門外科/産婦人科/眼科/耳鼻咽喉科/リハビリテーション科/放射線科/麻酔科/救急科/病理診断科/歯科口腔外科。CT3台、MRI2台、血管撮影装置1台。同院放射線科は放射線科医3名、診療放射線技師18名、看護師3名、医療事務2名で構成されている。


「無事是名馬」で14年

篠ノ井総合病院放射線科では県下で初の16列MDCTをはじめとして、最新鋭のCT装置を積極的に導入している。しかし、CT用インジェクターはバイエルの「Stellant D Dual Flow」が実に14年稼働し、現在は同院で最新の2管球128スライスCTで使用されている。「10年以上同じインジェクターを使い続けている当院のような施設も珍しいと思いますが、『Stellant D Dual Flow』はそれができるほどとにかく頑丈です。一度だけ天吊りアームが脱落してしまったことがありましたが、本体が壊れたことはほとんどないですね」。長谷川 実氏(南長野医療センター篠ノ井総合病院放射線科部長)はバイエルのCT用インジェクター「Stellant D Dual Flow(以下、Stellant)」について、こう絶賛する。同院とStellantとの歩みは、16列MDCTの導入の歴史とともにあると言っても良い。平成14年12月に長野県内で初めて16列MDCTが稼働し始めた際、Stellantが合わせて導入された。以来、大きなトラブルに見舞われることなく稼働し続け、同院のスタッフにとっては最も馴染んだ、使い勝手の良い装置となっている。

 3部屋のCT検査室では1日当たり約70件前後の検査が行われ、造影検査はその中の1/3を占める。Stellantは2015年に導入されたシーメンスの2管球128スライスCT「SOMATOM Definition Flash(以下、Flash)」との組み合わせで、平均して1日当たり2、3件行われているという冠動脈・心臓の造影CT検査でも活用されている。

オート機能が造影検査を強力サポート

 通常、Stellantを用いた検査の手順は次のようになる。単純CT撮影後に看護師が穿刺をして、造影剤シリンジとの接続を行う。このとき、インジェクターに造影剤シリンジをセッティングをするのは診療放射線技師である。三方活栓に接続した生理食塩液(以下、生食)を一部使用し、撮影体位での逆血確認をしたのち、患者に注意事項を説明。ここまでの手順を済ませたのち、造影剤の注入を開始する。デュアルインジェクションの際には、純正のCT用デュアルインジェクションシリンジに生食を適宜吸い上げ、セットしている。手作業で生食を造影用シリンジに移し替えることは診療放射線技師や看護師にとっては面倒な作業であるが、Stellantではその手間を大幅に省くことができる。

 Stellantには検査効率を向上させる複数のオート機能が搭載されている(図1)。特にシリンジ製剤のプランジャー後端を自動で検出してピストン(装置側)とドッキングするオートドッキングは、造影剤の容量の違いによってプランジャー後端の位置が異なってもインジェクターのピストンを自動的にプランジャーに結合してくれるため、手動で押し続けるタイプのようにインジェクターにつきっきりになる必要がない。また、オート・ロードは、生食の必要量の数値を入力するだけで自動的にエア抜きしながらの充填ができるということもあり、こちらも使用頻度が高い。さらに、オート・リトラクトはシリンジアダプタの取り外しに連動し、手間の短縮につながっている。オート機能のほかにも、シリンジの固定形式が、ロックが容易にしっかりとホールドされるギロチンタイプになっており、向きを気にせず時間を短縮したセッティングが可能となった(図2)。このような機能によって検査手順が効率化し、スタッフが患者に目を向ける時間が増え、よりきめ細かなケアを実現している。

オート機能が造影検査を強力サポート

情報管理の工夫でリスクマネジメント

 造影CT検査には副作用のリスクが避けられない。重篤な副作用の発生を増加させることなく真に必要な造影CT検査を受けていただくには、副作用歴の管理が重要だ。長谷川氏によれば、同院放射線科では副作用歴の管理にRISと電子カルテを併用しており、軽度の副作用は慎重投与と禁忌の2つに分けて記録、管理している。慎重投与可能な場合はRISに造影剤名や症状、経過、慎重投与可能な旨を記載。禁忌と判断した症例は電子カルテで禁忌薬剤に挙げ、ダブルチェックのためRISにも記載している。電子カルテに軽微な副作用を記入すると主治医が禁忌と判断してしまい、以後、造影CT検査を受けられず診断が遅れるなどのデメリットを受ける可能性がある。腎機能低下患者では主治医のオーダー内容を吟味した上で、造影剤の減量や補液のプロトコルを行っている。

 同院では生食での後押しが組み込まれている使い勝手の良いプロトコールなどを含め、約20種類のプロトコールが登録されており、特に肺塞栓のプロトコールの使用頻度が高い(図3)。さらに、プロトコール登録機能の活用について、井出新吾氏(南長野医療センター篠ノ井総合病院診療放射線科)は「1回の検査で2部位の3DCTAを分割撮影するようなケースでは、それぞれの撮影の注入条件をポーズを挟んであらかじめ入力し、準備することが可能です。先行する撮影が終了してからあまり時間を置かずに次の造影撮影に移行できます。血管内に造影剤が残存している間に造影剤を注入することで、後続の撮影でも限られた造影剤量(1検査における最大投与量は600mgI/kg)で十分な造影効果を得ることができます」と述べている。同院では登録機能の活用のほかにも、プロトコールをシンプルな表にまとめ、診療放射線技師と看護師との間で共有することでより安全で効率的な造影CT検査を実現している(図4)。

肺塞栓のプロトコールは登録してあると便利!
図3 肺塞栓のプロトコールは登録してあると便利!
造影剤の使用量は体重により調節。表から一目でわかるようにまとめられている。
図4 造影剤の使用量は体重により調節。表から一目でわかるようにまとめられている。

2管球128スライスCTとの「強力タッグ」

 Flashは2管球で時間分解能が高く、モーションアーチファクトが少ないことを活かし、冠動脈CT検査では全て2管球CTで行っている。また、当直時には外傷の単純CTをデュアルエナジーで撮影し、診断に有用な画像処理を行うことや、必要な症例は造影検査を行うことも少なくない。岸田 学氏(南長野医療センター篠ノ井総合病院診療放射線科)は「緊急性が高くなくても当直帯では普通に造影CT検査を行います。当然デュアルエナジーのヨードマップ画像も作ることは出来ますが、呼吸止めが困難な場合など、2管球を用いた『Flash spiral SCAN』で撮影すれば撮影時間を大幅に短く出来るので画像のブレを抑えることも可能です」と語る。

 さらに、腎機能低下例に対して検査をしなければならない時もFlashの出番だ。低管電圧やデュアルエナジーに混合注入を併用することで、造影剤量を半分以下に抑えても診断に耐えうる画像の取得が可能となった。

 Flashが使われるほど必然的にインジェクターの使用頻度が上がるため、同院で使用歴が長く、使い勝手が良いStellantとの組み合わせとなった。Flashの導入時、新たなインジェクターの更新は行っていないが、長期間安定して使用でき、有用な機能を使いこなしているStellantをつけたことで、「強力タッグ」の検査室が出来上がったといえるだろう。


長谷川 実氏

長谷川 実氏

放射線科部長

岸田 学氏

岸田 学氏

診療放射線科

井出新吾氏

井出新吾氏

診療放射線科

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