画像診断機器関連情報メールマガジン Vol.24

平素より画像診断機器関連情報メールマガジンをご愛読いただき誠にありがとうございます。
2017年より「画像診断機器関連情報メールマガジン」の配信を終了し、「造影剤・画像診断関連情報メールマガジン」として配信させて頂く事を、下記にお知らせいたします。これまでのご愛読に感謝するとともに、引続き弊社メールマガジンをよろしくお願い申し上げます。
バイエル画像診断機器ニュースより最後の配信となりました本号では、基本的な内容ですが、造影剤を注入する上で重要な造影CT検査での時間濃度曲線について、MRI関連ではParallel Imagingの種類をご紹介いたします。


1.メールマガジンのお知らせ

2013年より配信しております「画像診断機器関連情報メールマガジン」は本号をもちまして配信を終了し、2017年からは「造影剤・画像診断関連情報メールマガジン」のコンテンツの1つとして配信することとなりましたので、下記の通りお知らせいたします。
今までのご愛読に感謝するとともに、引続き弊社メールマガジンをよろしくお願い申し上げます。

終了するサービス:画像診断機器関連情報メールマガジン
終了時期:2016年11月
移行するサービス:造影剤・画像診断関連情報メールマガジン
画像診断機器関連情報の掲載開始時期:2017年3月

定期配信(領域別情報)

大変恐れ入りますが、「画像診断機器関連情報」のみご利用の先生は、「造影剤・画像診断関連情報」へのご登録をお願いいたします。
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2. 造影CT検査で時間濃度曲線に影響する要因

シリンジイラスト

造影剤は、一般的にシリンジ内よりルートを通り、上肢の静脈より注入されます。
静脈内に投与された造影剤は、血液により右心室に運ばれ、肺循環された後、左心房、左心室を通り全身へと運ばれます。
造影CT検査では確実な検査を実施するため、適切に造影剤を注入し、注入に合わせた造影タイミングを考慮しなければなりません。

そのためには、血管内に投与された造影剤濃度の変化を把握する事が必要と考えられています。CT装置の連続モニタリング機能を使用して、投与された造影剤濃度がある一定部位で経時的にどのように変化していくかを表した時間濃度曲線(Time Density Curves:TDC(以下TDC)を管理する事が必要であり、特に血管系の注入条件検討時にはTDCを考慮されているのではないでしょうか。
TDCは、造影剤を検出するまでの時間、傾き、最大CT値到達時間、最大CT値が使われますが、注入速度(mL/秒)、造影剤量(mL)、注入時間(秒)と関係し、造影剤の単位当たりヨード含有量(mgI/mL)が異なるとTDCに差がでてきます。

TDCの各用語
TDCの各用語
造影剤検出時間
最大CT値
最大CT値到達時間
傾き

たとえばヨード濃度300mgI/mLと370mgI/mLの造影剤を、同一の注入速度・造影剤量・注入時間で注入したTDCを比べた場合、TDC上の最大CT値到達時間は変わりませんが、370mgI/mL製剤は最大CT値が高くなります。
このようにTDCを考える時には、単位時間あたりの注入ヨード量(mgI/秒)や総投与ヨード量(gI)も考慮する必要があります。

ヨード濃度によるTDCの影響としては、体重当たりのヨード量も関係します。
異なる体重(Kg)の被検者に、同一総ヨード使用量(gI)、同一注入速度(mL/秒)で投与した場合、体重が重いほどCT値が下がります。再現性のあるTDCの為には、体重当たりのヨード量(mgI/Kg)を一定とし、同じ注入時間(秒)で注入する方法もされております。現在では、単位時間当たり単位体重ごとのヨード使用量(mgI/Kg/秒)を一定として検査される方法もあります。その他にTDCに影響を与える要因としては被検者の心機能があります。循環量が多くなるほど立ち上がり時間が早くなり、最大CT値が下がり、ピーク到達時間が早くなります。しかし循環量を事前に把握する事は難しく、検査時には緊張により通常より循環量が増加している可能性もあります。現時点では体重を基準にしたヨード使用量に相関がある事から、体重当たりのヨード使用量を用いた造影剤使用量の決定が多く使用されております。

TDCを一定とする場合、造影剤注入後の生理食塩水注入にも注意が必要です。
造影剤ルート内や静脈内に残存する造影剤を有効活用し、ボーラス性を維持するために生理食塩水の注入がされていますが、通常造影剤の注入速度と同じ速度で生理食塩水を注入する事で、TDCが一定となります。

学会でも造影剤注入条件がTDCに与える影響などの発表も見られますが、今後も診断に有用かつ被検者負担が少ないヨード使用量の検討がなされるのではないでしょうか。

3. Parallel Imagingの種類

現在のMRI撮像においてParallel Imaging(またはParallel MRI、以下P-MRIとします)は一般的な撮像パラメータの一つとなっています。P-MRIの基本原理として、画像から再構成するものと、k-space上でデータを作成し再構成するものの二つに分けることができます(図1)。
いずれの場合も撮像時にアンダーサンプリングを行うことで撮像時間の短縮が期待できます。P-MRIは臨床応用と同時に爆発的に普及しましたが、それまでは、撮像時間を短縮する手法としてハーフフーリエ法の選択肢がありました。ただ、P-MRIほど積極的に用いられてはいませんでした。

Parallel Imagingの種類(主に製品化されているもの)
図1

P-MRIはアレイコイルと無縁ではありません。
アレイコイルは小さなコイル(高感度なサーフェースコイル)を並べることにより広範囲においてSNRの向上を目的として開発されました。Sodicksonらは、アレイコイルの個々のコイルに位相エンコードを施すことによって、撮像時間の短縮が可能となることをSMASH(Simultaneous Acquisition of Spatial Harmonics)法として1997年に示しました。
これが後にGriswald らが報告するGRAPPA(Generalized Auto calibrating Partially Parallel Acquisition)法の元となるSMASH法の誕生です。
この報告は新たなP-MRIが開発されるきっかけとなります。Pruessmannらが翌年、複数コイル(基本は対向型)の感度分布用いて行うSENSE(Sensitivity Encoding)法を報告しました。
後にPruessmannがISMRM(2013年ソルトレイクシティ)にてLauterber Lectureを講演(図2)されたときに「前年のSodicksonらの報告に刺激されました。その時の写真です。」と、SMASH法を報告するトラディショナルポスター展示の前で、お二人が並ぶ写真を紹介されていました。
このお二人はISMRM(2006年シアトル)のGold Medalを同時受賞されています。

PruessmannがISMRM(2013年ソルトレイクシティ)にてLauterber Lectureを講演
図2

GRAPPA法の開発者であるGriswaldは、近年報告が増しているMR Fingerprintingの第一人者として知られています。
毎年新しい技術が報告されるMRIの世界はとても刺激的です。

編集後記

これまで「バイエル画像診断機器関連ニュース」をご愛読いただきありがとうございました。
合わせて、ご登録変更となり大変ご迷惑をおかけすることをお詫び申し上げます。
2017年から「バイエル画像診断ニュース」内より配信させていただく事となりましたが、より一層お役にたてる情報を掲載したいと思っております。
「造影剤・画像診断関連情報」メールマガジンをご愛読いただけますことを心よりお待ち申し上げております。

L.JP.MKT.RI.10.2016.1217