画像診断機器関連情報メールマガジン Vol.15

平素より画像診断機器関連情報メールマガジンをご利用いただき誠にありがとうございます。
4月17~19日にパシフィコ横浜で開催されました国際医用画像展示で弊社ブースにお越しいただけましたでしょうか、貴重なお時間ありがとうございました。
今年も先生方へ『ちょっと役立つ情報』をメールマガジンで配信させていただきます。
今号では4月に施行された診療放射線技師法改正での業務範囲拡大の1つ、造影剤ルートの接続・抜針について技師会主催の講習会参加レポート、そして定期連載しておりますMRI関連情報になります。


1. 4月からの診療放射線技師の業務範囲拡大について~抜針のポイント~

2014年6月25日に公布され本年4月1日施行された診療放射線技師法改正でCT、MRI検査等において造影剤の血管内投与と、確保された静脈路へのルート接続、抜針・止血が診療放射線技師の業務範囲に加わることとなりました。
これらの医行為は医師のみが行うことができるもので、診療の補助にあたる行為は医師の指示のもとに行う医行為(=診療の補助)として看護師のみに許される独占業務となっています。
こうした現状があった中、現在のチーム医療の効率化、診療放射線技師の専門性を踏まえたうえで今回の法改正によりいくつかの業務範囲拡大が診療放射線技師にも行われました。
しかし業務範囲に加わったとはいえ、技術的な業務はすぐに習得・実施できるものではありません。
特にルート接続・抜針は人体に実施者が直接医行為を行う業務になるためには十分な教育と研修が必要になってきます。
こうしたトレーニングは日本診療放射線技師会でも実施されており日本全国で開催されています。
今回弊社のアプリケーション担当者が診療放射線技師会の講習会に参加しましたので体験談を掲載いたします。

静脈注射(針刺しを除く)に関する講習会に参加して

昨年の国会で「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための法律の整備に関する法律案」(医療・介護制度改正の一括法案)が成立し、この法案の中には、医療従事者の業務範囲および業務の実施体制の見直しとして「診療放射線技師法」も含まれています。
その項目の一つとして、造影剤の血管内投与に関する業務のうち、造影剤投与終了後の静脈路の抜針及び止血を行う業務に関しての項目に関係する、日本放射線技師会で行われている静脈注射(針刺しを除く)の講習会に参加しました。
講習会は、講義学習・実習などがあり、必要な知識として、静脈注射にかかわる法的責任や薬剤について、業務をおこなうことにより知っていなければいけない必要な知識を得るものでした。実習では注意事項を含め、実際に抜針する想定で実技を行い、改めて実際の流れの確認ができ有意義なものでした。
講習では抜針時の注意事項として、下記などがあげられていました。

  • 抜針前に患者の観察を行う
    患者の氏名の確認、患者の症状の観察と問診、副作用症状
  • 刺入部の観察
    血管外漏出の確認
  • 生体消毒液による皮膚トラブルの有無の確認
    アルコール禁忌等がある場合は低刺激性のものを使用
  • 止血時間の考慮
    抗凝固剤使用の確認、止血時間(3~5分程度)、止血の確認

静脈注射(針刺しを除く)に関する講習会に参加して

抜針に対しての注意点と、患者とのコミュニケーションをとりながらの確認方法などを改めて確認でき、たいへん参考となる講習会でした。
また、診療放射線技師ではない他の医療スタッフからの講義により、今まで診療放射線技師目線で考えていたこと以上の患者観察やケアについて学ぶことができました。
患者とのコミュニケーションをとりながら最終確認と判断を的確かつ迅速に確認した上で、より適正な判断を行うためには十分な教育・研修を受けたうえで行うことが重要であると再認識し講習完了となりました、以上になります。

2. 乳房MRI検査

一般名称は乳房MRI

近年、MRI検査の中で検査数および造影率が増えている検査部位の一つとして乳房MRIが挙げられます。国内における乳がんの死亡率は上昇を続け(近年、若干下がったとの報告がある)、世間一般として乳がんおよび乳がん検診への関心が高まっています。そんな中、アンジェリーナ・ジョリー氏の予防的乳房切除に続き卵巣卵管の切除は大きな話題となりました。予防的に切除された根拠は遺伝性要因による家族性乳がんの発症リスクが80%(最大で87%)を超えたためと云われています。乳がんおよび卵巣がん症候群の遺伝性リスクとしてBRCA1/BRCA2の遺伝子変異陽性が挙げられます。詳しくは「日本BHCOコンソーシアム」のホームページを参照ください。

また、これらハイリスクグループに関して検出感度の高いMRIを用いる場合のガイドラインが「日本乳癌検診学会」からまとめられています。

一般診療における乳房MRIのガイドラインは「日本乳癌学会」が発行している乳癌診療ガイドライン2.疫学・診断編に記載されています。

さて、普段私たちは乳房MRIのことを何と呼んでいるでしょうか。X線マンモグラフィの流れからMRマンモグラフィと呼ぶこともあります。あるいはBreast MRIとか乳腺MRIと呼ぶこともあるでしょう。これらの呼称は施設によってまちまちであると思います。これらの呼称が広がった背景として、欧州ではMRマンモグラフィ、米国ではBreast MRIが用いられていることが考えられます。それでは、日本国内において一般名称として用いる際、適切な呼称はなんでしょうか。それは「乳房MRI」です。根拠は日本乳癌学会が発行している乳癌診療ガイドラインで用いられている呼称だからです。本ガイドラインを作成するにあたり呼称をどうするか検討され、その結果「乳房MRI」になったそうです。

国内では「乳房MRI」、海外へ論文等を投稿する場合にはその国で用いられている用語を使い分けることが、良いのかもしれません。

編集後記

いかがでしたでしょうか、今号では4月に改正された診療放射線技師法から、抜針について特集させて頂きました。
この改正で今まで他の医療従事者にお願いしていたルート接続、抜針、止血という業務を造影検査の一環として技師が行うことが可能となります。
当然安全への配慮は必要となりますが、より効率的な業務が行えるようになることも大きなメリットになるのではないでしょうか。

L.JP.RI.04.2015.0720