画像診断機器関連情報メールマガジン Vol.14

平素より画像診断機器関連情報メールマガジンをご利用いただき誠にありがとうございます。
真冬の寒さも和らいできましたがいかがお過ごしでしょうか。
東京は昨年のように大雪にも見舞われず、比較的過ごしやすい年初となりました。
北日本では大荒れのニュースも多く、天気だけはいつになっても予報はあくまでも予報なのだと感じております。
今回のメルマガは前回に引き続き、造影検査のポイントのご紹介とMRIのトピックスをご紹介いたします。


1. 造影検査のポイント:注入針、延長チューブ、注入部位

注入針

20Gの留置針で右腕へのルートを確保することが一般的です。
インジェクタを用いた急速静注では、翼状針などの金属針は注入時に血管内を傷つける恐れがあるためプラスチック針の使用が推奨されています。
最近では造影剤注入を目的とした留置針(抹消血管用カテーテル)を使用する施設もあります。

延長チューブ

インジェクタを用いて造影剤を投与する場合、非耐圧性のチューブでは破損のおそれがあるため、耐圧性のチューブを用いることが重要です。
インジェクタはプリフィルドシリンジを使用した場合最大225psi(15.8kg/cm2)のリミットを設定できます。
高速注入を行う場合、このリミットを低く設定してしまうと注入速度を制限してしまう可能性があります。
特に冠動脈CT造影検査の場合など高速注入が必要な場合は高耐圧のある延長チューブを使用することが必要になってきます。
耐圧性のないチューブをインジェクタで使用した場合、接続部の抜けやチューブの破裂などを引き起こす可能性があります。

造影剤の注入部位

通常第一選択としては右腕の静脈へルートを確保します。
太い静脈に確保できない場合は手背など細い静脈に穿刺を行うケースもありますが、使用する針が細くなるため、高速注入を行う際は注入速度制限がかかる可能性があります。
また左肘静脈からの投与の場合、左腕頭静脈でのうっ滞や、頸部静脈への逆流の可能性があるため、鎖骨下静脈に直接移行する右尺側皮静脈に続く右内側肘静脈が理想とされています。

造影剤の注入部位

他の薬剤投与に用いている静脈ルートから造影剤を投与すると、他剤との配合変化の可能性があることから新たなルート確保が望ましいと思われます。
ただし、新たなルート確保が困難であり、他の薬剤と同じルートから造影剤を投与しなければならない場合は、投与前にルート内を生理食塩液でゆっくりフラッシュするなどして薬剤どうしの接触を避けるようにします。

2. MRI:拡散強調画像におけるb値の由来

現在のMRI検査では検査部位を問わず、拡散強調画像が撮像されることが多くなっています。
拡散強調画像の撮像シーケンスの多くはEPI(Echo Planer Imaging)法を利用しています。
古くはConventional SE法やGradient Echo法を用いた拡散強調画像が撮像されていました。
さすがにConventional SE法での撮像は今では臨床現場で聞くことはありませんが、Gradient Echo法は現在でも用いられることがあります。
また近年では高速SE法においても拡散強調画像が得られるようになってきています。
拡散強調画像では、プリパレショーンとしてMPG(Motion Probing Gradient)を印加して拡散のコントラストを得ています。
MPGは異なる印加強度を用いて、見かけの拡散係数ADC(Apparent Diffusion Coefficient)を計算する事ができ、ADCの値を計測する事で組織の性状を判断することに用いられています。
このADCを算出するには異なる強度のMPGが必要ですが、その値をb値(s/mm2)として表しています。
拡散強調画像においてb値は拡散の度合い(程度)を示す指標です。
したがってb値が大きいと拡散される度合いも大きくなります。

ところで、拡散を表す値ならD値(diffusion)の方が適切ではと思ったことはありませんか。
拡散を勉強すると必ずフックの法則に出会うと思います、そこで拡散係数D値にも出会います。
もちろん、先に拡散係数D値を習った方も多いことでしょう。
いずれにしてもD値はすでにある値ですから使用することはできません。

異なるMPG(b値)から見かけの拡散係数ADCを求めることを提唱したLe Bihan先生の名前にある"b"から取ったといわれています。
Denis Le Bihan先生は親日派で知られており、日本語にも精通されているので、国際学会等でお見かけしたら日本語で話しかけてみてください。

ISMRM2014でLauterbur Lectureにて講演されるDenis Le Bihan先生

きっと、気さくに対応してくださると思います。

写真はISMRM2014でLauterbur Lectureにて講演されるDenis Le Bihan先生
演題名:Probing a Microscopic World at a Macroscopic Scale: The Magic of Diffusion MRI

編集後記

いかがでしたでしょうか?
インジェクタを使用する場合、点滴や輸液ポンプとは注入速度が異なり、それに伴い構成品にかかる圧力も高くなるため耐圧性能をもった製品の使用と耐圧性能の確認が重要になってきます。
安全確認のためにもご施設で使用されている物品を今一度ご確認ください。

学会展示情報

バイエルラジオロジー&インターベンショナルでは、今年も2015年国際医用画像総合展での展示を予定しております。造影剤、インジェクタ、そして線量管理ソフトウェアなどバイエルラジオロジー&インターベンショナルの強みを是非この機会にブースにお立ち寄りいただき、製品を通して実感してください。
皆様のご来場を心からお待ちしております。

L.JP.RI.02.2015.0646