画像診断機器関連情報メールマガジン Vol.10

平素より画像診断機器関連情報メールマガジンをご利用いただき誠にありがとうございます。
梅雨から夏への移り変わりの季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
そろそろ夏休みの予定も決まり、8月が待ち遠しくなってきました。
ただゲリラ豪雨や熱中症など、昔は気にならなかったことも、最近は多くなってきています。
楽しい夏休みを過ごすためにも、水分補給と塩分補給が必須ですね。
今月号では、低管電圧CT撮影にともなう造影剤注入器の役割についてご紹介させていただきます。


1.医療被ばくについて

震災後の報道などでは、CT検査の被ばく量として「6.9mSv」という値がしばしば象徴的に使われ、それにより医療被ばくへの関心が高まってきました。
また放射線医学総合研究所からは、CT検査での被ばくは「5-30mSv」(※1)とも発表さています。
ICRP勧告における医療被ばくを除く管理された線源からの一般公衆の年間線量限度は「1mSv」ですので、患者様によっては必要なCT検査での医療被ばくとはいえ、恐怖心を抱いてしまうかもしれません。
しかし今日ではCT装置、検査方法の技術も進み、CT検査における様々な低被ばくへの試みがなされています。
今回は、その中のひとつ低管電圧CT撮影ついて、造影剤を使用した検査の観点から見てみたいと思います。

参考文献

※1)
放射線医学総合研究所HP、CT検査など医療被ばくの疑問に答える医療被ばくリスクとその防護についての考え方Q&A

2. 低管電圧CT撮影のメリット・デメリット

管電圧設定を低くした場合、どのような効果があるでしょうか?
これらを考慮した場合、低管電圧造影CTが有効と考えられる人口群としては以下が考えられると報告されています。(※2・※3)

1.正中での静脈確保が困難な被検者 造影能の維持・造影剤量の低減
2.腎機能低下等、検査あたりの造影剤量を確保しにくい被検者
3.小児被検者 被ばく・造影剤量の低減
4.体型の小さい被検者

低管電圧CT撮影

参考文献

※2)
"Adjusting kV to reduce dose and improve image quality"
J.G. Fletcher
Technology Assessment Institute , Summit on CT Dose
※3)
造影CT検査が必要とされる症例 7.小児領域
日獨医報 第56巻 第1号 2011
放射線科医の考え (野坂俊介)
症例報告・検査依頼回の考え (笠原群生)

3. CT造影インジェクターにできること

それでは、低管電圧造影CT検査が必要とされる場合に、造影剤注入器を使用するうえで、よりリスクを低減するために、どのようなことができるでしょうか

投与造影剤量に注意が必要な検査

造影剤投与のリスクの低減という観点から、プロトコルごとに、体重当たりの最大ヨード量を設定することにより、過剰な造影剤投与を制限することができます。

CT造影インジェクターにできること

また、欧米ではインジェクター画面上で、クレアチニン等の必要情報を入力することによりeGFRを計算、リスク表示可能なインジェクターも出てきています。

CT造影インジェクターにできること

同時注入機能については、低管電圧CT撮影を行うにあたり、以下の点から関心が高まっています。
低管電圧CT撮影では造影剤の使用量低減が可能ですが、通常のCTでの造影剤注入時間と同じにした場合、注入速度が落ちてしまいます。
しかし生食との同時注入を用いればCTAなど血管撮影検査で、撮影時間、撮影タイミングを通常のCT検査と変えずに、注入速度、注入時間を維持したまま造影剤の使用量を下げることが可能であると考えられます。

また細い血管しか確保できない場合、特に手背・足部へ止むを得ずアクセスを取る場合では最大流速値の設定や生食によるテスト注入を実施することによりより安全に造影検査を実施することが可能です。

CT造影インジェクターにできること

編集後記

今回のメールマガジンいかがでしたでしょうか。
低管電圧CT撮影、小児、逐次近似法など最近耳にする機会も多くなってきました。
特に低被ばくというメリットから、CT装置以外からの情報を提供していきたいと思います。
また新しい情報あればメルマガにてご紹介していきます。

次号は、9月に配信させていただきます。

L.JP.MKT.RI.05.2016.1086