EOB・プリモビスト®注シリンジ

EOB・プリモビスト®注シリンジ

製品概要

EOB・プリモビスト注シリンジは、バイエル薬品が開発したガドキセト酸ナトリウム(略号:Gd-EOB-DTPA)を有効成分とするMRI用肝臓造影剤です。

開発の経緯

EOB・プリモビスト注シリンジは、バイエル薬品が開発した常磁性のガドキセト酸ナトリウム(略号:Gd-EOB-DTPA)を有効成分とするMRI用肝臓造影剤です。

本剤は、細胞外液性のMRI造影剤であるガドペンテト酸(略号:Gd-DTPA)分子に脂溶性側鎖であるエトキシベンジル基(EOB)が導入された構造を有し、細胞外液性造影剤と肝特異性造影剤の両方の特徴を併せ持つものであり、T1強調画像において造影効果を発揮します。

本剤はドイツにおいて1993年に臨床試験が開始された。その後、2004年にはじめてスウェーデンで発売され、現在49カ国で承認されています(2011年3月現在)。

本邦では1994年に臨床試験が開始され、「磁気共鳴コンピューター断層撮影における肝腫瘍の造影」における有効性、安全性が確認された結果、2007年10月に承認されました。

製品の特性

  1. 国内初の肝細胞特異性を有するMRI用肝臓造影剤です。
  2. 1回の投与で、肝腫瘍の血流評価と肝細胞機能の評価が可能です。
  3. 肝腫瘍において、優れた診断能を示します。
  4. 利便性に優れたシリンジ製剤です。
  5. 副作用発現率は、4.33%(76/1,755例)でした。
    [承認時:国内及び海外臨床試験の合計]
    総症例1,755例中76例(4.33%)に副作用が認められました。
    主な副作用は、血管拡張(熱感、潮紅)16例(0.91%)、悪心12例(0.68%)、味覚倒錯9 例(0.51%)、頭痛8 例(0.46%)
    等でした。
    重大な副作用として、本剤投与後にショック、アナフィラキシー様症状が報告されています。

効能・効果

磁気共鳴コンピューター断層撮影における肝腫瘍の造影

用法・用量

通常,成人には本剤0.1mL/kgを静脈内投与する

物理化学的性質

EOB・プリモビスト注シリンジはT1強調画像において造影効果を発揮するMRI用肝臓造影剤です。

有効成分の理化学的知見

一般名:
ガドキセト酸ナトリウム(Gadoxetate Sodium)
略号:
Gd-EOB-DTPA
構造式:
構造式
分子式:
C23H28GdN3Na2O11
分子量:
725.71 性 状:本品は白色の粉末である。
溶解性:
本品は水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすい。

組成・性状

販売名 EOB・プリモビスト注シリンジ
内容量 5mL、10mL
有効成分含量 1mL中、ガドキセト酸ナトリウム
181.43mg含有
有効成分濃度 250 mmol/L
添加物 トロメタモール: 1.211mg/mL
カロキセト酸三ナトリウム: 1mg/mL
pH調整剤(2成分):適量
色・性状 無色~微黄色澄明の注射液
粘度 25℃: 1.58mPa・s
37℃: 1.19mPa・s
浸透圧比(生理食塩液に対する比) 約2
pH 6.8 ~ 8.0

緩和度

ガドキセト酸ナトリウム(Gd-EOB-DTPA)は、特に血漿中で、プロトンのT1値およびT2値に対し、ガドペンテト酸メグルミン(Gd-DTPA)よりも強い短縮効果をもたらす。 すなわち、Gd-EOB-DTPAの緩和度(r1値およびr2値)はGd-DTPAよりも高い値を示す。また、2 種類の磁場強度間( 0.47 Tおよび 2.0 T)で、血漿中での緩和度(r1値)に差は見られなかった。

T1緩和度およびT2緩和度に対する効果(in vitro)

製剤 0.47T 2.0T
緩和度(r1値) 緩和度(r2値) 緩和度(r1値) 緩和度(r2値)
Gd-EOB-DTPA(血漿中) 8.2±0.5 8.6±0.6 8.1±0.1 11.6±0.1
Gd-DTPA(血漿中) 4.9±0.1 5.7±0.2 5.3±0.0 6.8±0.2
Gd-EOB-DTPA(水中) 4.9±0.2 5.7±0.2 6.6±0.0 7.7±0.0
Gd-DTPA(水中) 3.7±0.0 4.1±0.0 3.7±0.0 4.5±0.1

平均値±標準偏差(L/mmol・sec)

薬物動態

EOB・プリモビスト注シリンジは、静脈内投与後、血管内および細胞間隙に非特異的に分布するだけでなく、キレートに導入された脂溶性側鎖であるエトキシベンジル基により肝細胞に特異的に取り込まれます。
その後、EOB・プリモビストは、尿中および糞中に排泄されます。

血中濃度

健康成人男子(6名)に本剤 0.1 mL/kgを静脈内投与したとき、ガドリニウム(Gd)は二相性で血中から消失した。(血漿中半減期:α相 0.11時間、β相 1.3 時間)

EOB・プリモビスト静脈内投与後の血漿中Gd濃度の時間推移

EOB・プリモビスト静脈内投与後の血漿中Gd濃度の時間推移

排泄

健康成人男子(6 名)に本剤 0.1 mL/kgを静脈内投与したとき、投与後 4 日目までに投与したGdの 57%が尿中に、39 %が糞中に排泄された。

EOB・プリモビスト静脈内投与後の尿中および糞便中排泄

EOB・プリモビスト静脈内投与後の尿中および糞便中排泄

安全性

【副作用】 総症例 1,755 例中 76 例( 4.33 %)に副作用が認められました。主な副作用は、血管拡張(熱感、潮紅)が 16 例( 0.91 %)、悪心 12 例( 0.68 %)、味覚倒錯 9 例( 0.51 %)、頭痛 8 例( 0.46 %)等でした。(承認時:国内および海外臨床試験の合計) 重大な副作用として、本剤投与後にアナフィラキシー様症状※が、類薬ではショックが報告されています。 ※海外で行われた第Ⅰ相臨床試験において本剤500μmol/kg を投与された健康男性1例にアナフィラキシー様反応が報告されています。(注:本剤の承認用量は0.1mL/kg (25μmol/kg) です。)

承認時までの国内および海外第Ⅱ相、第Ⅲ相臨床試験の副作用一覧

副作用 発現例数
全身 背部痛 1 0.06
無力症 1 0.06
悪寒 1 0.06
倦怠感 1 0.06
疼痛 1 0.06
心血管系 脚ブロック 1 0.06
動悸 1 0.06
胸痛 1 0.06
高血圧 3 0.17
血管拡張 16 0.91
消化器系 口内炎 1 0.06
下痢 2 0.11
悪心 12 0.68
嘔吐 4 0.23
唾液分泌亢進 1 0.06
血液およびリンパ系 プロトロンビン減少 1 0.06
トロンボプラスチン減少 1 0.06
血小板数減少 1 0.06
白血球減少症 1 0.06
注射部位 注射部位疼痛 4 0.23
注射部位浮腫 1 0.06
注射部位反応 1 0.06
代謝および栄養障害 アミラーゼ増加 1 0.06
神経系 口内乾燥 1 0.06
多汗 1 0.06
浮動性めまい 4 0.23
アカシジア 1 0.06
振戦 1 0.06
回転性めまい 1 0.06
頭痛 8 0.46
錯覚感(異常感覚) 4 0.23
呼吸器系 呼吸困難 2 0.11
皮膚および皮膚付属器 発疹 2 0.11
斑状丘疹状皮疹 1 0.06
そう痒症 3 0.17
特殊感覚 嗅覚錯誤 2 0.11
味覚倒錯 9 0.51

バイエル薬品社内集計(承認時)

製品基本情報

効能・効果、用法・用量、警告、禁忌、原則禁忌を含む使用上の注意、用法・用量に関連する使用上の注意につきましては、製剤の添付文書をご参照ください。