肝腫瘍の造影超音波検査検査法と診断のコツ GE 社編

Coded Harmonic Angio
監修:近畿大学医学部 消化器内科 
工藤 正俊先生

ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
効能・効果、用法・用量、警告、禁忌、原則禁忌を含む使用上の注意につきましては、添付文書をご参照ください。

条件設定のポイント

主な条件設定 CHAでは特別な技術・設定は基本的に不要でdefaultの設定のみで十分である。
設定されたMI値は0.6~0.8である。フレームレートは結果として7~11Hz程度となる
Focus 通常シングルフォーカスとし、腫瘍の下縁付近に設定する。
間欠送信 間欠送信時間は基本的に設定不要であるが、鮮明なperfusion画像を得るためには適宜1秒ないし2秒くらいの間欠送信を実施する場合もある。
しかし断面を移動させることにより得られる断面flashのみで比較的鮮明な染影像が得られる。

条件設定一覧

使用装置 GE LOGIQ 700 EXPERT
撮像モード Coded Harmonic Angio(CHA)
プロープ 348C(広帯域対応:2~4MHz)
MI値 0.6~0.8(default)
フレームレート 7~11Hz(default)

レボビスト造影検査の時相

レボビスト造影検査の時相

撮影手順1

撮影手順1

撮影手順2

準備 : 静注ルート確保、ID入力、通常エコーの観察・観察部位の確認、造影剤の調製、ビデオ記録

  1. レボビスト投与前にBモードで腫瘍位置を確認し、CHAモードに切り替え観察開始
  2. 造影剤投与:レボビスト300mg/mLをボーラス投与
  3. 投与から約10秒後より血流が描出されはじめたら息止めを指示し、連続送信で腫瘍の血流を観察する
  4. さらにvascular phaseの間、適時断面flash、間欠送信、Freezeボタン操作によるmanual flashを利用したperfusion imageを観察する
  5. 各操作で得られた画像はcine loop再生による画像確認、メディアへの記録を行う
  6. 転移性肝癌の場合には、投与後5分後以降で、ターゲットを含む全肝をsweep scanし、肝内の転移病巣の有無を確認する

診断のポイント 1

肝細胞癌 血管相で腫瘍辺縁から内部に流入する動脈性腫瘍血管と強い腫瘍実質濃染が明瞭に描出されれば容易に診断可能である。局所治療の効果判定においては、動脈性血流・強い実質濃染の消失から治療効果を判定することができる。
再生結節・
腺腫様過形成
早期動脈相にて乏しい動脈性血流を反映してhypovascularに描出される。さらに後期血管相でのflash画像にて、門脈血流由来の血流による結節染影が見られる。
血管腫 造影早期には辺縁のみに血流が分布し、1分ないし2分くらいの間欠送信時間を挟んだ後の結節sweep scanでは辺縁から内部に染まりこんでくるspotty poolingまたはcotton-wool appearanceが特徴所見である。

診断のポイント 2

限局性結節性
過形成(FNH)
血管相で見られる中心性車軸状血管構築と強い濃染が特徴所見である。
転移性肝癌 基本的に乏血性であるが、結節辺縁にごく一部の直線的な血流が見られたり、既存血管の巻き込み等が見られ、このような所見が捉えられれば転移性肝癌の診断は容易となる。

【使用上の注意】

2.
副作用
(静脈内投与)
総症例1,217例中93例(7.6%)に副作用が認められ、主な副作用は注入部疼痛37件(3.0%)、ほてり21件(1.7%)、注入部冷感13件(1.1%)等であった。(承認時)
市販後使用成績調査2,895例中36例(1.2%)に副作用が認められ、主な副作用は注入部疼痛10件(0.3%)等であった。(再審査終了時)