脊髄造影を用いた神経鞘腫の呼吸性移動の術前評価

名古屋第二赤十字病院 整形外科
安藤 智洋 先生

ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
効能・効果、用法・用量、警告、禁忌、原則禁忌を含む使用上の注意につきましては、
添付文書(イソビスト注240)をご参照ください。

CTミエログラフィー

水平断像、前頭断像

  • 水平断像、前頭断像
  • 水平断像、前頭断像

矢状断像

矢状断像

脊髄造影後CT撮影において、腫瘍は明瞭に描出されているが、可動性については評価できず。

MRI 画像

T1WI 矢状断像、T2WI 矢状断像

  • T1WI 矢状断像、T2WI 矢状断像
  • T1WI 矢状断像、T2WI 矢状断像

T2WI 前頭断像、T2WI 軸位像

  • T2WI 前頭断像、T2WI 軸位像
  • T2WI 前頭断像、T2WI 軸位像

水平断像では腫瘍が描出されているが、矢状断像・前頭断像では明瞭に描出されていない。

イソビスト注240 脊髄造影

  • イソビスト注240 脊髄造影
  • イソビスト注240 脊髄造影

脊髄造影正面像において、腫瘍の位置が第12胸椎/第1腰椎椎間板高位から第1腰椎椎体後面まで約半椎体分ほど呼吸性に移動している。

診療上の有用性について

  • 脊髄硬膜内髄外腫瘍では、神経組織由来の神経鞘腫や髄膜由来の髄膜腫などが多い。
    腫瘍に可動性を認める場合は神経鞘腫の可能性が高いが、腫瘍の摘出時に移動する可能性があるので注意を要する。
  • 本例ではMRI 画像で腫瘍が明瞭に描出されなかったが、これは腫瘍の動きが原因と考えられる。
    大きく腫瘍が移動する場合には神経症状を来さないことが多いが、時に本例のように神経症状を来すこともある。
  • 本例において、術前の脊髄造影検査により腫瘍の可動性が確認できたことから、第12胸椎椎弓を一旦摘出し、広範に硬膜を露出して腫瘍を摘出した。術前に腫瘍の可動性が確認できないケースでは、手術時に腫瘍を見つけられないことや、見つけるために侵襲が大きくなる可能性がある。